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Re: 最強次元師!! ( No.339 )
日時: 2010/05/03 18:12
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: 7hsLkTT7)

第066次元 千年に続く魔人Ⅰ 

 蛇梅隊は今日も騒がしい。
 ミルとラミアが任務に行ってから一週間。
 まだ2人は帰ってこなかった。

 「遅いね、ミルもラミアも」
 「だな。結構苦戦してんじゃねぇの」
 「応戦に行く?」
 「やめとく」
 「何で?」
 「あの2人ならいけるさ」 
 「そか」
 「あ、いたいた!レト、ロクーー!」

 任務室の椅子に腰をかけていたロクとレトに後ろから班長が呼びかけた。
 何やら急いでいるようで、息も上がっていた。

 「どうした?そんなに急いで」
 「班長には敬語を使え」
 「だってロリコンじゃん」
 「黙りなさい、そして話を聞きなさい」
 「んで、何で・す・かー」
 「・・・・、実は、特別な任務が来てな」
 「特別な任務?」
 「そうだ、お前らにはG級の上、特別指定任務に行ってもらう」 
 「はぁ!?」
 「G級の上なんてないけど!?」
 「この任務は、レトとロクしか受けられない特別な任務だ」
 「何だ・・・それ・・・・」
 「依頼人がお前らを指定してこの蛇梅隊に送ってきた」
 「あたし達、そんなのやる気ないよ?」
 「お前らの強さは、はっきり言うがこの蛇梅隊一だ。ずっとA級では強くもなれん」
 「別に、Aでいい」
 「・・・いいのか?この任務を受ければ、神族の情報もつかめる」
 「!?」
 「そんな任務、あるの?」
 「それがこの特別指定任務だ」
 「・・・・んで、内容は」
 「まぁちょっと来い」

 班長が2人を班長室へと呼んだ。
 あまり大事じゃないかぎり、入る事は禁じられているこの部屋に。
 
 「・・・・それで」
 「まず、お前らにはこの新聞を渡そう」
 「新聞?」

 レトが班長から受け取ったのは、古びた新聞。
 かなり前のものだ。字もうまく読めない。

 「これが何ですか?」
 「一番右上にある記事、よく読んでみろ」
 「どれどれ・・・」

 一番右上にあった記事。
 大きな写真が貼られていた。
 その写真は、カメラマンが必死に撮ったのであろう、悲劇的な事実を知らせるものだった。
 記事に載っていた写真、それは30年前のレンドンよりも遥かに歴史を超えている。

 「何だ・・・、これ・・・」
 「嘘・・・・・、千年前の!?」
 「そうだ。千年前の恐ろしき魔人、『セルガドウラ』」
 「セルガ・・・、ドウラ・・・」
 「そいつは千年前に1人の青年が封印した、と聞いたがその封印がとけ、また再び蘇ったのだろう」
 「待って・・・、レンドンに引き続き、これって・・・・」
 「レンドンは、30年くらい前に青年が封印したそうだ」
 「どれもこれも青年かよ」
 「そのセルガドウラの討伐を、お前らにやってほしい」
 「む、無理だよ!あたし達、そんな事・・・」
 「これは班長命令であり、その依頼人からの願いでもある。お願いだ・・・・」
 「・・・・ロク」
 「?」
 「受けよう」
 「!?、な、何で!?」
 「俺達の目的は神族を倒す事。その近道になるなら、何だってやる、そうだろ?」
 
 レトと班長の真剣な眼差しに、ロクが決意したようだ。
 
 「分かった。そうだよね。それが目的でありあたし達の夢」
 「うし!班長、やるよ、俺達」
 「すまないな。キラーの捕獲にまた忙しい事を増やしてしまって」
 「どうって事ないし、なぁ?ロク」
 「もちろん!いつか任務がなくなるその日まで、全力で任務は果たすよ!」
 「頼もしい。流石だな、なら頼むぞ」
 「はぁーい」
 「ロリコンにしては真面目じゃん」
 「黙れと言っている。なんなら猫耳をつけて——————」
 「ざけんなッ!」
 
 レトが猫耳を弾き飛ばした。
 無残に落ちていく猫耳。
 ロリコンなところはいつも変わらないようだ。

 「んじゃ、行ってきまーす」
 「絶対、帰ってくるんだぞ?」
 「「分かってますって」」
 「・・・・そうか」

 班長室から出て、白い依頼届けの紙を握り締め、2人は任務へと向かった。
 G級より上があった。
 その事実は、知らない人が多かった。
 一般の蛇梅隊隊員の次元師はレトとロク以外知らないだろう。
 “特別指定任務”・・・・。
 蛇梅隊の次元師を指定する特別な任務。
 G級よりも難関な任務を、レトとロクは挑んだ。
 だが、2人は帰ってくる事ができるだろうか。
 班長は、心の中の心配な気持ちを、必死に押さえ込もうとした。