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- Re: 最強次元師!! ( No.352 )
- 日時: 2010/05/03 18:17
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: 7hsLkTT7)
第069次元 千年に続く魔人Ⅳ
ロクとレトの前に大きな扉が立ちはだかった。
白く、黄色い龍のような絵も描かれている。
ロクとレトの身長を遥かに超え、普通の元魔ほどの大きさだろう。
「で、でけぇ・・・」
「こんなの意味あるの?ねぇ?」
「まぁ開けてみようぜ、何あるか分からんし」
レトが扉に手をついた。
何かと冷たく、冷気を放っている。
ロクは何か看板のような物を見つけた。
普通に言葉が書いてある。
「『この扉開けずべからず』」
「何でだろうな」
「・・・・へぇ、開けるな、ねぇ・・・」
ロクの口がにやついた。
顎に手を当てて卑しい笑みを浮かべていた。
「開けるなって言われたら開けたくなるのが人間の性よ!!」
「あ、ロ・・・っ」
レトが言う間もなくロクは盛大に扉を開いた。
ロクは満面の笑みで扉の先を見つめたが、目の前に映る光景は、信じられないものだった。
ロクの笑顔はすっとなくなり、驚いてる様子にも見える。
「・・・・、何・・・これ・・」
「ったく・・・、何だって・・・」
レトが呆れて扉の先を覗いた。
だが、レトも驚きの表情を見せる。
ロクとレトの目の先に見えたのは、大きな棺桶だったのだ。
「・・・棺桶・・・?」
「しかも、この大きさ尋常じゃねぇな」
扉の先も広く、地平線のように広がっていた。
だが、その部屋の真ん中には尋常ではない大きさの棺桶が見える。
棺桶は汚れた包帯のようなもので深く巻きつけられていて、色が端の方しか見えなかった。
「誰の棺桶だよ」
「知らない。ここは違ったみたいだね」
ロクとレトが諦めて戻ろうとした時。
『誰だ・・・・、我の前に・・・・、姿を現す愚か者は・・・・」
「!?」
「なッ!?」
「逃がさん・・・・、此処で・・・、殺す・・・・!!」
ロクとレトの前には大きな棺桶。
何処から声が聞こえるのだろう。
辺りを見回したが、誰もいない。
そう思った矢先。
『此処だ・・・、見えないのか・・・?』
包帯に巻かれた棺桶がゆっくり開き、大きな人・・・、なのか化け物が現れた。
尖った口元、頭部に生えた2本の角、右手には大きな剣、左手には大きな縦を持つ。
全身が鈍い水色に身になっている妖怪、怪物、化け物、どれを言っても合わない者。
これが・・・・、鬼人、セルガドウラなのか。
「我名はセルガドウラ・・・、此処に来た罪多き者を食い尽くす、千年前の獄殺の鬼人・・・」
「お前がセルガドウラ・・・!?」
「嘘・・・、こんなに大きいの!?」
先ほどの扉ほどある大きな体。
暗い青色の瞳でレトとロクを大きく見下ろし、剣を構えて大きく叫び声をあげる。
「うぁぁああぁあああぁあああッッ!!」
「!!」
「で、でかい声・・・・」
「此処に来た事・・・、しかと後悔するがいいッ!」
レトとロクの想像を遥かに超えた鬼人、セルガドウラ。
その姿はセルガドウラその者、心、感情もその物だが、リルダはこの中にいる。
リルダを取り込んだ理由、千年も生き続けた執念、
それは、一体何処から沸いて出たものなのか。
レトとロクはそんな事も考えられず、ただ目の前に現れた魔人に息を飲んでいた。