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- Re: 最強次元師!! ( No.359 )
- 日時: 2010/05/14 18:43
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: 7hsLkTT7)
第071次元 千年に続く魔人Ⅵ
「な・・・・ッ!?」
「街娘・・・・?」
「そう、だろう・・・・、その、ペンダント・・・・」
ロクは、首にかけてあるペンダントを触った。
セルガドウラはこれの事を言っているのだろう。
「これが・・・、どうしたの・・・・?」
「貴様、何故・・・それを・・・・」
「これは、ロクが拾われた時にとっくに持っていたものだぞ?」
「嘘をつけ・・・・!!、それは・・・・それは・・・・」
「・・・・?」
「千年前に街にいた娘が首から提げていた物だ・・・・ッ!!」
「なんだと!?」
ロクが拾われた時に持っていた物、それがこのペンダントだ。
それが、千年前のものと言うのだろうか。
「それは、誰が持っていたんだ?」
「さっき言っただろう。・・・『フェアリー・ロック』だと・・・・」
「だから、誰なんだ!?」
「その娘にそっくりな・・・・、街娘だ・・・」
「ロクに?」
「あたしに?」
「綺麗な長い緑色の髪・・・・、それにそのペンダント・・・・」
「こ、これ・・・・?」
「そのペンダントを・・・・いつも首から・・・提げていた・・・」
「・・・・」
ロクは不思議に思った。
何故、自分が千年前の物を持っているのか。
それは、レトも同じ気持ちだった。
「あれは千年前・・・・——————」
まだ、戦争ではなかった平和な時代。
我は恐ろしい鬼人としてこの世の洞窟、つまり此処にいた。
我に近づく者がいなければ、我に話しかけようとする者もいない。
孤独な毎日だったのだ。
だが、ある日、いつだったか我の前に1人の街娘が現れた。
それが・・・、フェアリー・ロック。
我に果物や野菜、色々は食料を恵んできた。
そして、尋ねたのだ。
『何故、そんな事をしてくれるのか』と。
我は世界でも一番に嫌われた鬼人。
それに、娘を殺す事もできる。
それなのに、何故我にそのような事をしてくれるのか。
それが、気になったのだ。
するとフェアリーは微笑みこう言った。
『貴方が・・・、独りで寂しくないようにです』
その笑顔は誰をも恋に落とす綺麗な笑顔。
優しいその笑みは、我を救った。
フェアリーは優しく可憐で、誰からも好かれる街娘だった。
だが、我は貴人。
そんな幸せが続くわけもない。
我はいつしか、1人の青年に殺されていた。
いや、封印されていたのだ。
動く事も出来ず、ただ思っていた。
千年間、あの街娘を。
「それが、フェアリー・ロックか・・・」
「おい、ちょっといいかセルガドウラ」
「なんだ・・・・?」
「そのペンダントは、実はフェリーという神族の物じゃないのか?」
「ふざけるな・・・、それはフェアリーの物だ・・・・」
(おかしい、何故フェリーのペンダントが、そのフェアリー・ロックの物なんだ・・・・?)
「んー・・・。どうして2人の名前が似てるんだろう・・・」
ロクがぽつりと何か呟いた。
その言葉を聴いてレトが何かに気付く。
(!?、そうか、分かった!!)
「どうしたの?レト」
「分かったんだよ、何でフェリーのペンダントをそいつが持っていたか」
「え!?」
「フェアリー・ロックは仮の名前。本当は2人とも同一人物なんだッ!!」