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- Re: 最強次元師!! ( No.361 )
- 日時: 2010/05/14 18:44
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: 7hsLkTT7)
第072次元 千年に続く魔人Ⅶ
レトはそう言い切った。
セルガドウラもロクも、驚いている。
「う、そ・・・・・」
「嘘じゃねぇよ。だってフェリーには偽名があっただろ?それがフェアリー・ロックだ」
「何で分かったの!?」
「フェリーは神族。人族と仲良くするには自分を人間だと偽らなければいけない。
そう思ってフェリーは2つ目の名前、フェアリー・ロックを考えた」
「待って!それじゃあセルガドウラが会ったのは・・・・」
「その、フェリーだろう」
「ふざけるな・・・・あんな清純なフェアリーが・・・・!?」
「清純だからこそだ。お前に正体を教えたくなかったんだろう」
「そっか、フェリーはセルガドウラを傷つけたくなかったんだッ」
「そゆこと」
「それでは・・・・何故フェリーは我を裏切ったッ!!」
「「ッ!?」」
セルガドウラは何かの怒りのあまり、剣を振り上げ、レト達に向かって振り下ろした。
その衝撃と共に爆風が起こり、2人とも吹き飛ばされてしまった。
「うああぁぁッ!!」
「れ、レトッ!!」
「何故フェリーは我が封印された時に来なかったッ!!何故ッ!!」
「何故、って・・・・」
「なぁセルガドウラ」
「何だ・・・ッ!!」
「何でフェリーが魔人のお前に手を差し伸べたと思う?」
「・・・・・!?」
「何でだ?」
「そんなの、あとで騙すためであろうッ!!」
「・・・・そうか」
レトは起こした体をセルガドウラに向け、一瞬で何処かに消えてしまった。
「ッ!!」
「レ、ト・・・・?」
セルガドウラが辺りを見渡してもレトはいなく、上に顔を向けた時・・・、
「答え、教えてやんよ」
「!!」
誰もいないはずなのにレトの声が響き渡った。
「何処だ、何処だッ!!」
「フェリーがお前を助けたのは、お前が自分自身に似てたからだ」
「・・・・?」
「フェリーは神族。見方のいない人間の世界でただ1人見つけた自分と同じ孤独な存在ッ!!」
「・・・・・、ッ!!」
セルガドウラが後ろに振り向いた瞬間、
そこには、宙を舞っているレトがいた。
「お前を、人間だと思ってたんだよッ!!」
「ッ!?」
「八斬切りーーーッ!!」
レトの放った八斬切りは見事セルガドウラに当たり、大きな爆音により辺りが煙で覆われた。
セルガドウラが目をつぶりながらぶんぶんと剣を振り回してもレトはいなかった。
「人間を愛していたフェリーは、魔人のお前さえ人間として接してきた」
「何処だ、何処へ行ったッッ!」
「心の優しいフェリーに、お前裏切る事なんかできるかッッ!」
レトがそう叫んだ時、煙が晴れてセルガドウラの目の前に映ったのは、
口元を歪ませ、腕を構えていたロクの姿だった。
「ッ!?」
「雷撃ーーーーーッ!!」
雷の塊がセルガドウラに直撃すると同時に今までとは違う爆風が起こった。
「す、すげぇ・・・・」
「どうしてレトは、そんな事分かったの?」
「へ?」
「ほら、孤独とか」
「だってそうだろ?神族は全部で6人。だけどフェリーは人間の見方だ。それにフェリーなら
セルガドウラを人間として接するのは当たり前だろ」
「へぇー・・・」
「フェリーは“心”の神族。間違いねぇよ」
ロクの攻撃は見事直撃し、セルガドウラのあの巨体も倒れてしまった。
レトの考えが合っているかは分からない。
だが、あのフェリーならそうするのもおかしくはなかった。
「・・・う・・・ぁ・・・あぁああッ!!」
「まだ、生きてたか・・・」
「お前、じゃないのか・・・・、お前は、フェアリーだろう・・・・ッッ!?」
「!!」
「嘘だろ・・・、ロクをフェリーと間違えてる・・・!?」
「その美しい緑色の髪、そのペンダント、お前はフェアリーじゃないのか・・・・ッッ」
セルガドウラはかすめた声でそう言った。
ロクを、フェリーと間違えているんだろう。
「・・・・残念だけど、もう千年も経ったの。フェリーは生きてない」
「緑の髪・・・?」
(そうか、セルガドウラの目は千年も経っていて確かな物は映っていない・・・・、間違えてるのか)
「さぁセルガドウラ、もう体に取り込んだその子を返してッッ」
「せっかく、せっかくこの魂を手に入れたんだ・・・、もう一度戦う力を・・・・ッ!!」
セルガドウラは魔人として、力を手に入れたのだろうか。
それとも、もう一度フェリーに会うために戦場に上がり込んで行きたかったのか。
どちらにしても、
セルガドウラのフェリーへの想いは、千年経った今でも変わらなかった。