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Re: 最強次元師!! ( No.365 )
日時: 2010/05/14 20:20
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: 7hsLkTT7)

第073次元 千年に続く魔人Ⅷ

 「うぁああああぁあああッッ!!」
 「おわぁ!?」
 「危なッッ」

 セルガドウラのいきなりの攻撃に避ける2人。
 あの巨体からして潰れていたの確実だろう。

 「あ、危ねぇ・・・・」
 「あいつ、尋常じゃないね」
 「尋常の領域を超えてるな」
 「さぁ出てこい次元師!!、何処だッ!!」
 「更に血まで昇ってるよ・・・」
 「お前のせいだろ」
 「いいや、レトのせいだね」
 「・・・どっちでもいいけど、どうする?」
 「どうするって、こんな怪物相手にどうしろと?」
 「・・・・あれは?」

 レトがロクの耳元で何か言った。
 ロクが驚き一瞬だけレトから離れた。
 
 「え・・・、何言ってんの!?」
 「やってみようぜ、あの時師匠の越すッ!」
 「む、無理だよ!!」
 「・・・・・お前、悔しくないのか?」
 
 レトが小さな声でロクに告げる。
 ロクとレトにとっての師匠とは・・・。
 
 「あの時、師匠を見殺しにした俺ら自信、すげぇ悔しい」
 「でも・・・・」
 「・・・・、来るぞッ!!」

 剣を振り下ろし、レトとロクが壁へと飛ばされる。
 セルガドウラに見つかったらしい。

 「ロク、いいのか?」
 「師、匠・・・・」
 「そうだ、俺達の憧れた『ルノス・レヴィン』はもう、いないんだよ」
 
 ルノス・レヴィン。
 レトの言ったその名前の主は、レトとロクの師匠だったらしい。
 今はいないと言うが。

 「ロク、また来る・・・っ」
 「雷柱ーーーーッッ」
 
 レトが言う間もなくロクがセルガドウラに攻撃した。
 大きな柱に包まれ、セルガドウラは盛大に倒れてしまった。

 「・・・・あ・・・・」
 「レト、反応が遅くなったんじゃない?」 
 「ロク・・・?」
 「もう少し、冷静になれば、って言ってんの」

 ロクの冷静な判断で、セルガドウラの攻撃も防げた。
 レトが血が昇っている事に、ロクは気がついたのだ。

 「・・・悪い」
 「いいって、もう元力ないんでしょ?」
 「へ・・・?」
 「さっきから攻撃しなかったのは、そのせいでしょうー?」
 「ま、まぁ・・・、良く分かったな」
 「まぁ、一応妹ですから」 
 「んじゃ俺の分まで任せたぞ、妹さんよ」
 「はいはーい」
  
 ロクも同じくらい戦っているのに何故元力が余っているかは、この時はまだ分からなかった。

 「師匠・・・か・・・・」
 「どうしたの?」
 「懐かしいよなぁ、と思ってさ」
 「うん、そうだよね」

 レトとロクが昔一緒にいた師匠。
 その人物は、一体どのような人だったのだろうか。
 レトとロクの師匠だったという事は、次元師だったのか。
 
 (ほんっと懐かしいぜ師匠、あんたが、あの時死んじまうなんてな・・・—————)

 レトは壁に背をつけぺたんと地面に座り込んだ。
 昔の思い出に、浸りながら。