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Re: 最強次元師!! ( No.369 )
日時: 2010/05/17 18:16
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: 7hsLkTT7)

第074次元 青き謎の師Ⅰ
 
 ・・・———————今から3年前。

 
 少し時代が遡り、1028年の事。
 ロクが10歳、レトが11歳になり、
 母を失った1ヵ月後。
 ロクとレトは途方に暮れていた。

 「どうする?」
 「どうするって、どうすんの?」
 「キールアもいるし、どうすっかなぁ・・・」

 母を失った2人は、この後、どうするかを話し合っていた。
 何もできるわけがいない。
 まだ2人は子供なのだ。
 
 「とりあえず気晴らしに隣町にでも行こうよ」
 「そだな」

 何も知らず、ただ何の目的でもなく2人は隣町へ向かった。
 

 「さて、どうすっかなー・・・」
 「ん?見て、レト」
 「ん?」
 
 ロクが指を指したその先には何やら喧嘩している人物だった。
 レトはため息をついた。

 「何だよ、あれ」
 「あの男の方、ズボンのチャック開いてない!?」
 「お前なぁ・・・、ってマジだ」
 「でしょでしょ、これでも目良いから」
 「うはっ、気付いてねぇし」

 2人で街の中を盛大に笑っていると、その喧嘩していた男達がこっちを向いた。
 そして、ずかずかとこっちに向かってきた。

 「お前ら、うるさいんだよ」
 「へ?何?」
 「あはははははっ、まだ気付いてないし」
 「ばか、ロク笑わせんなよっ」
 「・・・お前ら喧嘩売ってるのか?迷惑なんだよ」
 「あたし達の目にも迷惑なんですけど」
 「ロク上手すぎ」
 「しかもパンツピンク色だし、見てみ?」
 「嫌だよ気持ち悪い、でもマジだな」
 「お前ら、いいかげんにしろッ!!」

 男が持っていた酒のビンを下に叩きつけ割った。
 その行動で、ロクもレトも笑いが収まった。

 「あーあ、せっかく面白かったのに」
 「しけちゃったね」
 「お前ら、黙れないのか?おこちゃまのくせに」
 「何だよ、おこちゃまじゃなくてお子様だろ?」
 「言葉教育の専門でも行けば?」
 「ふざけんなッッ!!」

 男がレトとロクに殴りかかろうとした。
 だが、ロクは下へしゃがみ、レトが思い切り腹を殴った。

 「ぐあぁあッ」
 「技を使うまでもねぇな」
 「う、動くなよ・・・・?」
 「!?」
 「小僧、お前から殺してやるッ!」
 
 レトは男に抑えられ、首にナイフを突きつけられた。
 ロクは動揺もせずにただにっこりと笑っていた。

 「どうした、助けないのか?」
 「そんな早とちりしなくても、もう遅いよ」
 「!?」
 「雷撃ーーーーーーッッ!!」
 「な、何だッ!?」
 「ひょいっと」

 ロクの雷撃が見事男に命中し、男は倒れた。
 レトは男の腕からするりと抜け落ち、すぐに避けたのだ。

 「一丁ー、あっがりー!」
 「たく、せっかくピンクパンツ面白かったのによー」
 「よくもしけさせてくれたねぇ」

 その時、後ろからパチパチと拍手の音が聞こえた。
 それは数人ではなく1人だったが。

 「誰?」
 「この人の知り合い?」
 「ちげぇよ、他人さ」
 「じゃあ何で?」
 「お菓子を買って此処まできたら、なーんか子供が次元技を使ってるんでな」
 「次元技?」
 「さっきの技の事さ。まぁそれは放っといてさ」
 「「?」」
 「俺の、弟子にならないか」

 青髪の青年がそう言った。
 まだ30はいってないであろう。
 
 「おじさん、名前は?」 
 「おじさんかよ・・・、ルノス・レヴィンだ」
 「俺レトヴェール・エポール」
 「あたしロクアンズ・エポール」
 「お、2人は兄妹か」
 「そう、だけど・・・」
 「次元技について、知りたくないか?」
 「ま、まぁ・・・」
 「んじゃ決まりだな、これからは俺の事師匠って呼ぶんだぞ」
 「「は、はぁ・・・」」

 レトとロクはわけも分からないまま、ルノス・レヴィンという人の弟子になってしまった。
 まだ名前しか知らない、謎の青年の。