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Re: 最強次元師!! ( No.380 )
日時: 2010/06/10 18:41
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: frKstor9)

第079次元 青き謎の師Ⅵ

 「暑いねぇー・・・」
 「今日何で師匠いないんだよー」
 「さぁ?デートじゃない?」
 「誰とだよ」
 「ほら、前師匠の部屋で女の人一緒に写ってる写真めっけたじゃん」
 「あぁ、えらい美人さんだったよな。でも何で修行も無しにデートなんだ?」 
 「知らないよ。修行はお休みって、初めてだよねぇー」

 ロクとレトは、師匠の家のふかふかの床で寝っ転がっていた。
 師匠は、今日朝から何処かに出かけていて、置手紙には今日の修行は休みだ、と書いてあったらしい。

 「急用って事かなぁ?」
 「だろうな。まぁせっかくの休みだ、ゆっくりしようぜー」
 「・・・うん」
 「どうした?」
 「何か、ね・・・、何か気に掛かるっていうか、何か引っ掛かるというか」
 「何だよそれ。師匠の行動に何か不審な点でもあるのか?」
 「そうじゃない、でも、何か・・・」

 ロクは何か思いつめたような顔で悩んでいたが、考えるのに疲れたのかばったりと倒れこんでしまった。
 レトは、師匠と一緒に写っている女性の写真を眺めていた。

 (この人・・・・、どっかで・・・・)

                   *

 街の中で、師匠は1人急ぐようにして歩いていた。
 逃げるようにも見えたが、何かを追い詰めるようにも見えた。
 
 「早く・・・、早くあの場所まで・・・」

                   *

 「師匠、おっそいなぁー・・・」
 「分かったッ!、きっとトイレだねっ!」
 「家にあるのにか?」
 「きっと店屋にあるトイレが好きなんだよっ!」
 「それは100%ないと言おうか、ロクさん」
 「いいじゃん、おちゃめな子供の発想でしょー?」
 「お前をおちゃめと認める人間がこの世にどれだけいるのか是非調べたいものだな」
 「レト、さらっと酷い事を言うね、君」

 流石に何時間も待たされているロクとレトは家の中で退屈そうに待っていた。
 あれからどれだけの時間が経ったのだろうか。
 その時、レトの脳裏を何かが過ぎった。

 「・・・ッ!?」
 「?、どうしたの?」
 「今、師匠の元力が消えなかったか・・・?」
 「嘘・・・・」

 レトは頭に手を触れさせ、固まるようにして驚いた。
 レトとロクは師匠の修行のおかげで人の元力を感じ取れるようになっていたのだ。

 「何か胸騒ぎがする・・・、行くぞ、ロクッ!!」
 「分かったッ!」

 顔を真っ青にしたレトは、道を速く駆け抜け、掠れる元力の元へと向かった。
 どんどん小さくなっている師匠の元力を辿って。