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Re: 最強次元師!! ( No.393 )
日時: 2010/06/23 19:33
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: mwHMOji8)

第084次元 千年に続く魔人Ⅸ

 暴れ続けるセルガドウラによって、上から崩れ落ちる瓦礫。
 ロクは元力の残っていないレトのため、必死に戦っていた。
 レトは、壁にもたれながら、昔の事なんかを思い出していた。

 (懐かしいな・・・、本当に・・・)
 
 レトは、少し深呼吸をし、ロクの元へと走って駆け寄った。

 「休んでていいのに」
 「ばーか、そんな事してたら恥ずかしいだろ?」
 「何が」
 「でかい怪物を妹に任せてる最低な兄なんてさ」
 「そういうとこしっかりしてるんだからー」

 ロクはレトと共にセルガドウラの目の届かないところへ隠れた。

 「このままあいつと戦っても無駄死にするだけだ。ここは1つ、挑戦してみねぇか?」
 「何を?」
 「両次元を、さ」
 「!?、な、何言ってんの!?」
 「さっきも言ったけど、やっぱ俺やってみたいと思う」
 「ばっかじゃないのッ!?あれは師匠もできなかった・・・」
 「師匠ができないからって、俺達にできないとは限らないだろ?」
 「そ、そうだけど・・・」

 ロクは何か不安を抱いてるようだ。
 いつもは行動的なロクが、ずっと動かないのだから。

 「師匠は言ったよな?俺達に両次元を託すって。俺達なら、できる気がするんだ」
 「何を根拠に?」 
 「両次元って、2人の次元師が心を通じ合わせて初めてできる技だろ?」
 「うん」
 「俺はできると思う、ロクとなら」

 そうレトが言った瞬間、
 後ろから瞬く間にセルガドウラが現れた。

 「見つけたぞ・・・、次元師共ッッ!」
 「やべ、見つかった」
 「逃げるよ、レトっ!」

 セルガドウラが腕を振り上げ下に下ろした瞬間に、レトとロクは一気に走り始めた。

 2人に残された元力はあとわずか。
 この状態で、勝機はあるのだろうか。

 「もう時間がねぇッ!行くぞロクッ!」
 「で・・・も・・・」
 「いつものお前らしくないぞ?どうした?」

 ロクは、昔の事について何か思い出しているようだった。

 「・・・・文句ならあとでいくらでも聞いてやるよ。ほら、やるぞ?」
 「できるかな?」
 「心配すんな、これでも兄妹だぞ?」
 「・・・義理だけどねっ」

 やっとロクにも笑顔が戻ったようだった。
 その笑顔に安心したレトはふっと笑い、ロクと手を合わせ始めた。

 初めて挑戦する両次元。
 果たして、本当できるのだろうか。

 「どうやってやるの?」
 「分からん、とりあえず適当に」
 「・・・・そだねっ!」

 2人は目を瞑り、隣で重ね合わせた手を、ゆっくり折り曲げて絡ませていく。

 そして・・・————————、

 
 「「開けッ!!両次元の扉・・・————————ッッ!!」」