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Re: 最強次元師!! ( No.420 )
日時: 2010/07/11 15:25
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: mwHMOji8)

第091次元 新しい仲間
 
 「聞けッ!今回は良い知らせがあるぞーッ」
 「何ですか、その微妙にテンションの低い声は」
 「レト、もう少し突っ込みを・・・」
 「んで、知らせって何ー?班長ぉー?」
 
 いつもと変わらぬ景色を見せている広い食堂。
 そこでは色々な料理の匂いが絶え間なく漂っていた。
 班長は食堂で昼食中の蛇梅隊次元師隊員達を集めた。

 「新しい仲間、というか次元師が入った」
 「えぇーーッ!?」
 「それって、まさか・・・」
 「そうだ、ミルと同じ部隊に入ってもらう、五番隊だ」
 「あたしと同じ部隊・・・」
 「丁度ミルのところは不足していたのでな、入っていいぞー」

 班長が高らかに呼び、少年はこつこつと固まりながら歩き寄ってきた。

 「あ・・・あの・・・」 
 「さぁリルダ、自己紹介を頼む」
 「り、リルダ・エイテルです・・・、どうか、よろしくお願いします・・・っ」
 「リルダ、かぁ・・・」
 「可愛い男の子だねぇ♪」
 「年齢はルイルと一緒で10歳だ。これより五番隊の次元師に任命した。仲良くしてやれよー」
 「無事にリルダは入れたね」
 「そうだなぁ、お前、元力は?」
 「すっかりすっかり。もうおかげさまで」
 「そうかい」

 リルダはおどおどしながらぎこちない礼をし、そそくさと自室に戻っていってしまった。
 ミルの五番隊に入る事になったリルダ。
 この先やっていけるのだろうか。

 「ただ1つ問題なんだよなぁ・・・」
 「何が?」
 「いや、ほらリルダって見るからに気弱だろ?あのミルとくっつけていいのかと・・・」
 「そういう事か、ミルって結構溌剌だもんなぁ」
 「ま、そこらへんはレトがカバーしてくれればなんとかなるもんな」
 「はぁー?」
 
 班長は苦笑いをしながら颯爽と食堂から出て行った。
 レトはふいに、横を向いた。

 「・・・・」
 「おかわりくだはいッ!!」
 
 もちろん、何の話も聞いていない妹がいるのは事実だが。 
 レトは呆れ顔で1つため息をついてミルの方へ目をやった。
 ミルは何か思いつめた顔で下を向いていた。
 
 「どうした?ミル」  
 「う、うん、いや・・・」
 「?」
 「ちょっとレト、来てくれる?」
 「あ、あぁ・・・」

 レトはミルに屋上へと連れて行かれた。
 何か話でもあるような顔だった。

 「んで、何だ?」
 「あたしが、レンドンを倒しに行った時の事で」
 「あぁ、どうだったんだ?」
 「倒したし、ちゃんと裁いてやったの」
 「おぉー、良かったじゃん」
 「うん、でも・・・」

 ミルは1度口を閉じた。
 そして、ゆっくりと口を開く。
 
 「・・・最後に、レンドンはこう言ったの」
 「?」
 「『最後に教えてやる。俺を30年前に封印したのは【フィードラス・エポール】と言う名の奴だ』と」
 「ッ!?」
 「あたし、その時思った。エポールって、聞いた事があったから・・・」
 「俺の・・・、親父だ・・・」
 「そうかと思ってびっくりした。レトのお父さんが封印しただなんて・・・、て」
 「・・・・そうか、ありがとな、ミル」
 「うん、それだけっ!ごめんね、時間潰しちゃって」
 「いや、嬉しいよ。サンキューな」
 
 レトはミルにお礼を告げて、自室へと足を運んだ。
 
 自分の父が、30年前に魔物を倒すような人物だったとは思わなかったのだろう。
 これで『青年』の意味も分かったが、何かまだあった気がして、レトは考え込んでいた。