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Re: 最強次元師!! ( No.421 )
日時: 2010/07/11 15:53
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: mwHMOji8)

第092次元 昔の記憶

 レトは自室に戻り、パタンと倒れこむようにしてベッドにダイブした。 
 疲れきっているせいなのか、それとも先ほどの話のせいなのか。
 そこで、レトの部屋のドアがコンコンと音を鳴らした。
 
 「誰だー?」
 「ロクでーすっ」
 「・・・・」
 「何さ、その顔」
 「いや、さっきまで食堂でおかわりしてた奴がまさか俺の部屋に尋ねてくるなんて思ってなかったんで」
 「・・・・そうですか」

 レトの部屋に入ってきたのは紛れもなくロクだった。
 ロクはベッドによいしょと腰を下ろした。

 「・・・ねぇレト」
 「んぁ?」
 「あたし、師匠の修行の時に、家の写真見て、この人見た事あるって思ったの」
 「師匠の家の写真?・・・あぁ、そんなのもあったなぁ」
 「あの女の人、どこかで見たと思ったら、あたし、やっぱり見たんだ」
 「何処で?」
 「研究所、で」
 「はぁッ!?」
 「あたし、思い出したんだ。ほら、あたしって5歳までの記憶、一切ないじゃない?」
 「まぁ・・・、そうだったな」
 「でも、あたし1度研究所であの人を見た。実験を繰り返して、苦しそうなあの人を」
 「ってことは、やっぱお前捨て子、だよな?」
 「多分。師匠みたいに手違いできたのかもしれないし、分からない」
 「まぁいい収獲だよ。これからも思い出せるといいな」
 「うん、それだけ」
 「・・・・今日はなにかと疲れる日だなぁ、こりゃ」
 「へ?」
 「いや、こっちの話」
 
 (もう、頭がごちゃごちゃすぎて何考えたらいいかすら分かんねぇよ・・・)

 レトは、疲れている体に耐え切れず、目を閉じて眠りについた。
 ロクはレトの自室から音も立てずに出て行った。

 「・・・・あ、班長」

 ロクは、レトの部屋を出た瞬間、廊下を歩いていた班長を見つけた。

 「おぉ、ロク。任務は今日行かないのか?」
 「昨日散々やられたんでね」
 「はは、そうか」
 「それより班長、仕事は?」
 「・・・・・まぁ、そこは、なぁ?」
 「・・・とことんずるい人ですな」
 「んでロク、レトにも伝えてほしいのだが・・・」
 「ん?」
 「キラーの捕獲は?」 
 「あ」
 「あ、じゃないだろうっ!お前らは何て暢気な兄妹なんだ・・・」
 「レトが起きたら伝えとく。ご指摘さんきゅ〜」
 「ま、頑張れよ〜」

 ロクはへろへろと手を振って班長と別れる。
 そして、ため息で一言。

 「休む暇も与えてくれんのか、あのロリコン班長さんは」

 ロクは仕方がない、と呟き、レトが起きるまでの時間を食堂で過ごしていた。