コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 最強次元師!! ( No.427 )
- 日時: 2010/07/14 16:46
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: mwHMOji8)
第094次元 悪魔の血
(あの店・・・、今開いてるかなぁ・・・)
キールアは道路の真ん中で歩きながら何やら考え事をしていた。
すると、何処からか指令のような声が聞こえる。
『指令、センターの街にキラー発生。住民は直ちに避難して下さい』
(何・・・、それ。キラーって・・・?)
何かの化け物か生物だろうか、そうキールアは思い過ごし、ふと、顔を上げた瞬間。
(・・・—————ッ!!?)
キールアは、まるで恐ろしいものでも見るかのように真っ青になって立ち止まってしまった。
キールアの目線の先。
そこにいたのは・・・・、
「見つけたぞ、シーホリーの娘ッ!!」
赤い目を殺意に変えてギラギラと光らせ、
鈍い金髪の髪を風に遊ばせ立っている。
そう、今レトとロクが捕獲する事なっているキラーだった。
(何で・・・、何であいつがッ!!?)
キールアは声も出す事ができず、10m先に立っているキラーをただじっと見る事しかできなかった。
キールアが震えながら立っていると、キラーがキールアに向かって歩き出した。
「・・・、ッ!!?」
「やはり、か。金髪の髪、瞳。2つに結い上げた医者の娘」
キラーお得意の速技で、1秒も掛からずにキールアの目の前に現れた。
「どうし・・・、ているの・・・?」
「貴様を殺すのに10年か・・・。意外に時間が掛かった」
「殺す・・・?10年前だって散々あたしの家族を殺したのに!?」
「殺した?いや違う。“処分”したのだ」
「処・・・、分・・・・・?」
「貴様らシーホリー家を、1人たりとも生かす事はできない」
「何で・・・、殺したの?」
「何だ?」
「理由・・・、理由が聞きたいッ!!」
「理由、か。貴様は死ぬのだ。知る必要などなかろう」
「ッ!?」
キラーはキールアの目の前から姿を一瞬にして消した。
キールアは怯えながら辺りを見回す。
すると同時にキールアの足に鋭い感触が走った。
「いやぁああああッ!!!」
「足を切れば、逃げる事はできない。さぁ、長年の屈辱を晴らさせてもらうぞ、シーホリーの娘」
キールアは左足を鋭い何かで切られ、しゃがんでしまった。
流れる赤い血。
その血は、キールアの心の奥に突き刺さっていく。
(あの時も・・・、赤い・・・、血だった・・・)
「・・・・ねぇ」
「・・・」
「何で、殺したの?」
「知る必要はない」
「だったら・・・、殺される筋合いなんてないッ!!!」
「・・・ッ!?」
「何でも良い、理由が欲しいの!!あたし以外の家族を殺した、ホントの理由が!!」
「・・・そこまで言うのなら、冥土の土産に教えてやろう」
「・・・・」
「【悪魔の血】、聞いた事あるだろう?」
「悪魔の・・・、血?」
「千年前、貴様の祖先、【アディダス・シーホリー】は、悪魔の血の持ち主だった」
「あたしの、祖先・・・」
「貧しさに耐えられず、医者としての威厳を捨て、街を半分破壊した、恐ろしい人間だ。
アディダスの暴走はやがて1人の勇者によって止まったが、その後に命を落とした。
意味が分かるか?」
「まさか・・・、それ、で?」
「そうだ。もしまた悪魔の血を貴様らが覚醒させれば、どうする事もできなくなる。
そこで剣闘様はこう言った。
『悪魔の血を受け継いだシーホリー家を、即刻始末しろ』と」
「それ・・・、だけなの・・・?」
「あぁ、それだけだ」
「じゃあ・・・、何の罪もないのに、悪魔の血とか意味の分かんないもので殺されたって言うの!?」
「あぁ、そうなるな」
キールアは悲しみに耐えられず、地面にぺたりと座り込んでしまった。
悪魔の血を引き継いだという、信じられない現実をどうして暗殺に向けるのか。
キールアは不思議でしょうがなかった。
「さて、これで全て話した。死んでもらうぞ、シーホリーの娘ッ!!!」
キラーが大きく手を振り上げた瞬間・・・——————ッ!!!
(殺・・・される・・・、そんなの・・・、嫌ッ!!!)
大きな爆音と共に、金属音の混じった音も聞こえた。
キラーはその音に不審を抱き煙が去っていく瞬間に驚くようにして赤い目を大きく開いた。
キールアが恐る恐る目を開けて目の前に映ったものとは・・・——————、
「レ・・・・、ト・・・・・・?」