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Re: 最強次元師!! ( No.448 )
日時: 2010/07/21 12:07
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: mwHMOji8)

第101次元 次元師or医者

 「・・・・あたし、次元師だったのかぁ・・・」

 キールアはただ1人、自室でため息をついていた。
 このままついていけるのか、戦いなんて慣れてない、と色々と不安を抱きながら。

 「キールアいるか?」
 「レト?」
 「・・・全部、聞いてたんだろ?」
 「まぁ、ね・・・」
 「驚かないのか?」
 「十分驚いてるよ。でも、なんかそんな気がしてて、そこまで驚く気になれないというか」
 「何だよそれ」
 「今思い出せば、お父さんもお母さんもセリスも、皆紫色の目をしてた。
  自分だけ違うって事ぐらい、分かってた」
 「まぁキールアは医者になりたいんだし、そっちの道を進めばいよ。
  次元技が覚醒しなければ次元師になることはないしな。そしたら戦争も免れるし」
 「そ・・・、か」
 「あんま気に持つなよ?俺だって最初双斬に告げられた時は何も言えなかったし」
 「そうだよね。あたしにはあたしの道があるし、そっちに進んでもいいんだよね?」
 「あぁ、もし狙われたって、俺達がどうにかしてやんよ」
 
 レトが背を扉に向けてキールアを話をしていると、ひょこんと何かが現れた。

 「俺達〜?」
 「うぉッ!!?」
 「俺、の間違いじゃないの〜?」
 「お前はいちいちうるさいって言ってるだろーーッ!!」
 「きゃーーっ」
 
 レトはロクを追いかけて走り去っていってしまった。

 「次元師・・・、か」

 (あたし・・・、それでいいのかな・・・)
 
 次元師の道か、それとも医者の道か。
 キールアにとって1番の悩みだった。

 (でもあたしはシーホリー家の娘。ここで次元師の道に進むわけにはいかないもんね・・・?)

 そうやって、気持ちを塗り替えてそのまま寝てしまった。
 それでも、なかなか寝付けなかった。

 
 「ねぇレト〜」
 「・・・」
 「ごめん、もう許して?」
 「嫌だ、と言ったら?」 
 「・・・・すいませんでした」
 「宜しい」
 「ところでさ」
 「ん?」
 「キールアが次元師だって事、何で黙ってたのさ。っていうかいつ聞いたの?」
 「そんないっぺんに質問するな。まぁ、あいつに変な不安を持って欲しくなかったってだけだ。 
  情報なキラーからだ。あいつもシーホリーの瞳の関係には気付いていたらしい」
 「ふーん・・・、キラーか」
 「しかも医者の道を目指しているキールアに、次元師だなんて、普通言えないだろ?」
 「まぁね。あたしだったら、大事な事でも相手を傷つけたくないかな」
 「・・・・、そか」

 医者の道か、それとも次元師の道か。
 この世にたった100人しか存在しない次元師が、次々にいなくなるこの時代で、どちらを選ぶか。
 それを決めるのはキールア自身だということは、誰もが分かっている事。

 「班長、いますかー?」
 「おうレトか。なんか用でもあるのか?」
 「いや、キールアの事について」
 「私的には仲間になって次元師として戦って欲しい、と願っているがね」
 「・・・それは、なんのためだ?」
 「世界のため、人のため、もしくは、本人のため」
 「本人?」
 「キールアちゃんには期待しているんだ。新しい次元師なら、戦力になってほしい」
 「・・・そうか」
 「レト、心配するのも分かっているが言ったはずだ、戦争から、また戦いからは逃れられない、と」
 「分かってるよー」
 「宜しい。もしキールアちゃんに何かあったらお前が全力で護るんだぞ?」
 「・・・・」
 「あんな可愛い子、あんまりいないし・・・」
 「黙れロリコン」

 レトは扉を閉めて出て行った。
 ただ一言、そうか、と呟いて。