コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 最強次元師!! ( No.458 )
- 日時: 2010/07/23 19:20
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: mwHMOji8)
第103次元 元魔の能力
大きな爆発を繰り返し続けるこの戦い。
だが、ロクの雷もレトの剣術もこの元魔には効かなかった。
「くそ・・・・ッ、何なんだ?」
「あの体の鎧みたいなやつを剥がせばいいんじゃない?」
「できればそうしたい。だけどあれは硬すぎて敵わん」
「んじゃあ八次元らへんを出せば良いじゃん」
「俺はお前みたいにバカでかい元力を持ってないの。できれば攻撃戦はお前にやらせたい」
「分かった。それじゃあレトは指示して」
「了解」
作戦を立て直したレトとロクは2手に別れ、ロクは攻撃へと念を入れた。
レトは相手に勝つ術を考え、ロクに的確な指示をする。
(2人とも・・・、大丈夫かな)
ただ1人、キールアは影に隠れて身の安全を確保していた。
「何処だ・・・、次元師・・・」
「探してる・・・。ロク、相手に気付かれないように背後にまわって攻撃するんだ」
「らじゃっ!」
ロクはそ・・・っと元魔の後方へとまわり、手を翳して狙いを定めた。
「雷撃ーーーーーッ!!!」
雷撃は確かに元魔を捕らえた。
「・・・・邪魔だ」
—————————、はずだった。
「ッ!!?」
元魔は大きく手を振り上げ、一直線にロクに振り落とす。
「うあぁぁああッ!!!」
「ロクッ!!」
その衝撃で地面に叩きつけられ、ロクは血反吐を吐きながらなんとか立ち上がる。
「大丈夫か?」
「なんとか。でも相手の速さは半端じゃない」
「攻撃力も普通の元魔を超えてる。なんなんだ、こいつ」
「分かんない。見かけもちょっと元魔と違うし、でも元魔だよ、確かに」
「・・・、考えるのも時間の無駄。少しでも回復したらまた出て行ってくれ」
「了解、妹ばっかに任せないでよ?」
「分かってますって、兄も頑張りますよ」
ロクは再び元魔の元に走っては攻撃を繰り返す。
レトは相手の弱点を必死に探っていた。
(見かけが違う元魔か・・・、普通の怪物でもなけりゃ、融合物体のようなもの。
どっちかと言えば融合物体だが、見かけが違う。攻撃力も瞬発力も遥かにこいつの方が高い)
レトが必死に考えている最中、キールアは影からそっと見守っていた。
無事でいてほしい、勝ってほしい、
そう願いながら。
「ロクは攻撃型で誰より攻撃力も高い。だがあの元魔は・・・」
(待てよ・・・、攻撃力が高いという事は・・・)
「攻撃型の元魔・・・」
レトは何かに気付き、はっとしたようにロクに目をやった。
「ロクーーーッ!、そいつは攻撃力、瞬発力はすごいがやっぱり元魔みたいだッ!」
「どういう事ーーっ!?」
「つまり、命中率や防御力はかなり低いはず。お前の八次元で、一回ぶちかましてみッ!!」
「分かったーッ!」
レトの指摘を受け、1回転して地面に着陸したロク。
すぅっと息を吸い、思い切り叫ぶ。
「第八次元発動ッ!!」
「ッ!!?」
「雷柱ーーーーッ!!!」
八次元の雷柱を発動させ、地面から太く、上に1本に伸びていく雷の柱。
それが見事元魔を捕らえ、輪郭がぶれるくらいに震えていた。
「うがああああああああぁぁぁぁぁッ!!!!」
「ほほぉ、やっぱ防御力は低いのか。そして・・・」
「次元師・・・、許さないッ!!」
元魔がロクに向かって大きく手を振り上げた。
だがロクは居場所も動かずにただ立っているだけで元魔の攻撃が外れた。
「防御力の低い元魔を攻撃して視力を曖昧にさせれば当たる攻撃も当たらない」
「やっぱり正しかったか」
「レトー、何で分かったのー?」
「あぁ、まぁ元魔って普通、1つの能力しか持たないだろ?」
「能力?」
「攻撃型、防御型、命中型、瞬発型、体力型、それぞれ1つの能力しか持つ事はできない」
「だけど今回の元魔は2つ持ってた」
「そう、それが多分新しい元魔だな。神族の野郎共が多分開発したんだろう」
「そか・・・、それで2つの能力。新元魔ってわけね」
「そゆこと。あいつは攻撃型と瞬発型の両方を兼ね備えてるだろ?だからおかしいと思ったんだ」
「なるほど、なら簡単だね。さっきみたいなのを続けりゃそのうちやられる」
「そうだ、任せたぞ、ロ・・・・」
レトの言葉が途切れた。
「避けろッ!!ロクッ!!」
「え・・・—————————」
ザシュ———————————ッッ!!!
「ロクッ!!!」
「ぐああああああああぁぁあぁああッ!!!」
「やっと見つけたぞ・・・、次元師」
「やばい・・・、来るッ!!」
ロクはその場で倒れ、起きる様子も見られない。
「ロク・・・、くそッ!!」
「レト・・・」
「キールア、ちょっとロクを頼む」
「レトは?」
「俺はあいつをぶった斬ってくる」
「そんな無茶・・・ッ!!」
キールアの言う事も聞かずに、レトは元魔に向かって走っていってしまった。
「俺と勝負だッ!!元魔ッ!!!」
キールアは密かに不安を抱き、残りわずかな量の元力で戦い続けるレトを見てはいられなかった。
ロクは倒れ、レトは血の滲む思いで戦い続ける。
自分は本当にこれでいいのか、と心の奥底で呟いた。