コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 最強次元師!! ( No.467 )
- 日時: 2010/07/26 20:26
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: mwHMOji8)
第105次元 回復の次元技
「な・・・、なんだッ!?」
「キー・・・、ルア?」
カ—————————・・・・・ッ
激しい光の中で立っていたのは1人の少女。
そう、まぎれもなくキールアだった。
キールアの周りの光はやがて薄くなっていくように消え、キールアの周りから消えていった。
「次元の扉・・・——————、発動ッ!!」
「ッ!?」
「次元の・・・、扉!?」
キールアがゆっくり目を閉じて深呼吸をしたその時、
(あ・・、れ・・、言葉が浮かんでこない・・・ッ!?)
キールアは自分で扉を開けたのかも分からず、ただただずんでいた。
(でも、元力が体中を巡回してるのは分かる・・・、名称がないのかな・・・?)
キールアは1回掌を見て、ぐっと握った。
レトの元魔もこの状況に呆気に取られている。
「・・・はったりか?」
(いや・・・、はったりじゃない。キールアは本当に・・・)
「第三次元発動ッ!!」
「・・・・来るッ!!」
キールアの突き出した掌が、何やらうっすら黄緑色に光っていた。
「傷消止血—————ッ!!」
キールアがその技を唱えた瞬間、レトとロクを包み込むようにして何かが現れた。
それはいかに不思議で、黄緑色のしゃぼんのように見え、その周りを2つの白い十字架が回っている。
「何なんだ!?これ」
すると、そのしゃぼんの中に入っているレトとロクの怪我がすぅ・・・っとなくなっていったのだ。
この状況に驚異の表情を浮かべるレトは呆気に取られ、みるみる塞がっていく傷口を見つめていた。
「すげぇ・・・」
「医術の・・・、次元技・・・?」
やがてその傷口は塞がれ、流れていた血も止まった。
すると、頭を抑えるようにしてよろよろとロクが立ち上がった。
「ロクッ!?」
「あ、れ・・・?あたし傷を・・・」
「キールアの次元技だ。どうやら回復らしいぞ」
「ふぇ!?そんなにすごいの!?」
「え、と・・・」
「・・・ロク、傷口はもう、塞がったよな?」
「うん、バリバリおーけーッ!!」
「んじゃ行くぞッ!!」
レトとロクは合流し、2人でなにやらこそこそやっていた。
「えー?やるのー?」
「もしかしたらもう1回できるかもしれないだろ。やってみるだけやる」
「分かったよ。でももうレト元力残ってないでしょ?」
「・・・そうだけど、一応やる」
「分かった」
2人が正面を向き、隣り合わせでレトは右手、ロクは左手を合わせた。
そのポーズに見覚えのある元魔は一瞬驚きを見せた。
「ま・・・、さかッ!?」
「久しぶりだからできるか分かんねぇけど」
「やってみるっきゃないでしょ?」
2人は目を閉じてお互いの呼吸を合わせ————————、
「「両次元の扉、発動ッ!!!」」
「両次元・・・・、まさか、そんなことが・・・ッッ!!?」
セルガドウラの時同様、レトとロクは2人で両次元を開く。
なんと今回はレトがぱたりと膝をつき、ロクの次元技が光を帯びていた。
「今回はあたしの番ってか」
「今までの分、ぶちかませよー、ロク?」
「あいあいさッ!!」
「何故・・・、両次元を成す人間など・・・!?」
「「双雷・・・———————ッ!!!」」
前回、2人が両次元を発動させた時は双斬をベースとした雷斬だった。
だが今回、レトの元力がもう僅かしかないために雷光をベースとした双雷が発動。
「おぉー、やればできるもんだね」
「双雷・・・、聞いた事のない次元技・・・」
「んじゃ行きますかッ!!」
ロクはバッという風に両手を広げ、技を唱える。
「斬弾———ッ!!!」
斬弾と叫ばれしその技、なんとロクの周りに無数の剣の形をした雷の塊が現れた。
その剣が一気に元魔に突き刺さり、勢いと共に強打する。
「グアアアアアアァァァァッ!!!」
かなりの大ダメージを受けた元魔はなんとそのまま倒れてしまった。
「よっしゃぁッ!!」
ロクが天晴れ、という風に喜んでいると、なんと元魔が小さな声で喋りだした。
「まだ・・・、だッ!!」
「・・・・やっぱり、ダメかな」
ロクの周りには常に剣が携わっていて、ふよふよと浮かんでいる。
「残念だけど、あたしの攻撃はまだ終わらないからッ!!」
ロクが右手を突き出し、掌の指を全開にして開いた。
「多雷弾———————ッ!!!」
「———————ッ!!?」
先ほどとは比べ物にならないほど複数の剣が元魔を襲った。
それは雷の強さ、剣の鋭さの増したまさに両次元ならではの技。
「グアアアアアアアァァァァァ——————ッ!!!」
流石にこの攻撃には耐えられず、元魔は砂のようにさらさらと消えていった。
既に荒い息だったロクは倒れ、まだ大きな傷の残っていたレトも倒れてしまった。
行き成りの次元師としての戦いでまだ慣れていなかったキールアもまた、疲労によって倒れる。
この3人は初めて次元師として協力し合い、この戦いを勝利へと導いた。
回復の次元技、その実態はまだ分からず終いだが、
もうキールアが戦いから逃れる事ができなくなったという事に、偽りなどなかった。