コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 最強次元師!! ( No.492 )
- 日時: 2010/08/01 19:05
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: TV9sr51/)
番外編 友達の証
『世界中の何より、笑顔が1番————————、だよ?』
「ガネスト〜?まだぁー?」
「はいはい・・・、全くルイルはせっかちですね」
「だって早く食べたいんだもん♪」
ルイルは台所にいるガネストに文句の一言。
どうやらケーキを焼いているらしい。
「はい、出来ましたよ。ルイルお嬢様」
「その呼び方やめてよねー?ルイルでいいよ」
「はは、冗談です」
その昔、ルイルとガネストは親の関係で執事とお嬢様の関係を築いてしまった。
その頃も何か揉め事があったらしいが、今回は飛ばさせてもらおう。
「そういえば、今日って何もないの?」
「はい、午後の予定では何も」
「んじゃ外遊びに行ってもいいんだ??」
「はい」
「わぁーいっ!」
ルイルは飛び跳ねて喜んだ。
そのルイルの笑顔にガネストが安堵のため息をつく。
「何ぃー?」
「いえ、元気で何よりです」
「んじゃ遊びに行ってくるねぇー?」
「お気をつけて」
「うんっ!」
ルイルはレースのついた可愛らしい服を着て、いつもの帽子を被り、外へと足を運ばせた。
「♪〜、♪〜〜」
鼻歌を歌いながら、くるりと回り、笑顔で街を歩くルイル。
(こんなに楽しいのも、ロクちゃんのおかげかなぁ・・・?)
ルイルはそんな事を思い考えながら、公園まで辿りついた。
そこでふと見るといつもの子供はいなく、1人の少女がブランコで揺られていた。
「ねぇ、君1人?」
「・・・・」
「ねぇってばぁー」
「・・・・」
「ねぇ遊ばない?あたし今1人——————」
「庶民がやるようなつまらない群れ事は嫌いなの。邪魔だから消えてくれる?」
「・・・・?」
「・・・・」
「それって、あたしに怒ってるの?」
「・・・・」
「いいじゃん、ねぇってばぁーっ!」
「人の話を聞かない人間は1番嫌い。邪魔って言ってるのが聞こえないの?」
「うー・・・」
少女はそれだけ言い残すと、颯爽と去っていった。
その、綺麗で汚れ無き灰色の髪の毛を揺らしながら。
「・・・なぁーんか、気になるなぁ」
ルイルはため息をついて、家へと帰っていった。
「あ、おかえりなさいませ、ルイルお嬢様」
「やめてってばぁー・・・」
「何かあったんですか?」
「色々とねぇー」
「ルイル」
「ん?」
「『笑顔が何よりの宝であり心の証』そうロクは言いましたよ?」
「そうだね。やっぱ笑顔が1番っ!」
「それでこそルイルです。何があったかしりませんが落ち込まないように」
「はぁーい、大丈夫だよっ!」
ルイルは軽く夕食をすませ、自室のベッドにぽふんっ、というように飛び込んだ。
「あの子・・・、何ていうんだろう・・・」
『人の話を聞かない人間は1番嫌い。邪魔って言ってるのが聞こえないの?』
「何があったんだろう・・・」
ルイルは呟くようにそう言った。
どうやら今日出会った少女との会話を根に持っているらしい。
だが、ルイルはそのまま目を瞑り、眠っていってしまった。