コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 最強次元師!! ( No.510 )
- 日時: 2010/08/09 17:30
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: TV9sr51/)
第122次元 殺し屋としての名
「千年前の資料?」
「あぁ、持ってる・・・かな?」
「んー・・・、1つだけあるけど、それは何だ?」
「えと・・・、千年前に有名だった英雄大六師に関連のある・・・奴ら?」
「・・・多分、これであってるか分からんが、どうぞ」
「おうー・・・、ありがとな、コールド副班」
「まぁな、青春しろよー?」
「はいはい・・・」
レトは、コールド副班から1冊の資料集を貸してもらっていた。
ロクだと何かと貸してもらいづらいのだろう。
レトがコールド副班に頼んだのは、千年前の資料。
何故それを選んだのかというと・・・。
「やっぱ無理して笑うのって・・・、先祖が関係してるのって多くない?」
「まぁな・・・俺は自分の先祖なんて考えた事ないけど」
「とりあえず、名前は確か・・・」
「ミクシーだったよな」
「うん・・・」
レトとロクは書庫に向かい、早速本を開いた。
どうやらこの本は千年前の戦争に関連する資料あ載っているらしい。
「・・・あったぞ」
「・・・?レイズ・ミクシー?」
「・・・・・あぁ、なるほど」
「どうしたの?」
「あいつの元霊、【紅き炎の殺し屋】、だっただろ?」
「うん・・・」
「ミクシーの名を持つ奴らも、当時は殺し屋だったらしいぞ」
「嘘ッ!?」
「これは面白くなってきたぞ・・・」
「どういう・・・事?」
「多分、英雄大六師の6人には師匠とか、いたんじゃねぇか?」
「師匠?」
「そうだ。それなら、炎皇とミクシー家が関連づいてるのかもしれん」
「なるほど」
「炎皇は当時、殺し屋って呼ばれてたんだろ?ならミクシー家に関わっていた可能性が高い」
「まだまだ謎だらけかもね・・・」
「まぁ1つ1つ解き明かしていこうぜ」
「うん・・・」
その後、レトはミクシー家について関連があるものも調査を進めた。
ロクはあまり外に出られないので部屋でミクシー家と炎皇の関係を探る。
ロクは、ふと、何かの文字に気が付いた。
「・・・どうした?ロク」
「いや・・・、この文字」
「・・・?あぁ、お前、読めるんだろ?」
「うん・・・、でも、これなんだろう・・・?」
「何て書いてあるんだ?」
「これってさ・・・まさか・・・、殺し屋一家から炎皇に向けての・・・メッセージ・・・?」
「マジかッ!?」
「分かんない・・・でもなんで最後のこの頁だけが他と違う文字なんだろう・・・」
「まさかこの本ってさ、元々はフェリーみたいに、ミクシー家に関わる本なんじゃねぇか?」
「あ、それで千年経った今、読めなかった人々はこれを資料の本にまとめた」
「・・・という事だな」
「でもこれ・・・なんか解読系らしい・・・」
「普通に読めないって・・・事か?」
「うん・・・変な文字が重なってて・・・」
「んじゃその本の解読は任せた。俺は外へ調査に行く」
「うん」
レトはロクの自室から飛び出していった。
そして、ロクは必死に解読を始めた。
「んー・・・」
レトは廊下を歩き、何かを考えていた。
その時、ちょうどサボコロが窓の奥を見ているのが見えた。
(あいつ・・・何やってんだ・・・?)
そのサボコロの顔は何処か儚げで、何かを考え込んでいるようだった。
レトは話しかけようとしたが、手を止めた。
「セピア・・・・」
(ッ!?)
サボコロは、そう言った。
誰かの名前だろうか。レトはそう思った。
すると、ふいにサボコロはこちらに振り向いてきた。
「お・・・おぉレトっ!どうした?」
「あ・・・いや」
「そうか・・・」
「あのさ・・・セピアって・・・」
「あー・・・、やっぱ聞いてたか?」
「あ・・・うん」
「俺の妹だよ」
「ッ!?」
「でも、死んじまったんだ、4年前に」
「4年前・・・?」
「あぁ。剣闘族に、な」
「剣闘族にッ!?」
「あぁ・・・・。ま、これ以上はあんまり言いたく・・・ないけどさ」
(・・・・妹・・・か・・・・)
「・・・なぁサボコロ」
「なんだ?」
「お前ってさ・・・・」
「・・・?」
「自分の名前、憎んでるだろ?」
「・・・ッ!?」
「・・・図星か」
「・・・な・・・、んなわけないだろっ?」
「ミクシーというのは、千年前から続く殺し屋の一家」
「・・・・なんで・・・それを・・・・」
「そしてまた、剣闘族も殺し屋・・・だ」
「・・・・ッ!!!」
「だからお前は殺し屋であるあいつらに妹が殺されたのを・・————————」
「・・・うっせぇよ」
「・・・?」
「お前に・・・お前なんかに俺の気持ちなんか分かんねぇよ——————ッ!!!!」
「・・・・ッ!?」
サボコロはそう言って、走り去っていった。
さっきまでの笑顔は、一体何処へ消えたのだろうか。
ロクの言う通り、サボコロは無理して笑っていたのだろう。
きっと・・・亡き妹のために。