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- Re: 最強次元師!! ( No.512 )
- 日時: 2010/08/09 18:34
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: TV9sr51/)
第124次元 世界一の宝物Ⅰ
今から時を遡る事2年前。
小さな国には、1人のお嬢様が住んでいた。
それはそれは我ままなお嬢様だった。
「早くお菓子持ってきてっ!!もう待ちくたびれた!!」
「すみません・・・業者の方が・・・」
「・・・もういいっ!!全く・・・使えない執事ねっ!!」
そのお嬢様の名前は、ルイル・ショートス。
世界的有名なお金持ちのショートス家の次女。
幼い頃、長女のレイル・ショートスは事故により死亡したため、次女のルイルが王女となった。
「我ショートス家の次期王女のルイル・ショートスよ・・・」
「何ですか?お父様」
「お前は少し我まますぎだ・・・、もう少し周りを・・・」
「お姉ちゃんの命を奪っておいて変な事言わないでッ!!」
「ルイル様・・・国王に向かってそのような・・・」
「お姉ちゃんの事故は・・・あのお父様が仕組んだ事なんだからッ!!!」
「ルイル様ッ!!」
「お姉ちゃんが王女にならないなら・・・あたしはこの命くらい簡単に捨ててやるんだからッ!!」
レイル・ショートス。
ルイルの姉であり、今は亡き元次期王女。
ショートス家の長女でありながら若くしてこの世を去った。
誰もが振り返る優しき笑顔の美しい女性だった。
「ルイル様・・・」
「お姉ちゃん・・・・」
そして、ルイルが最も慕っていた唯一の存在だった。
「お姉ちゃんは悪い事なんかしなかったのに・・・。お父様が殺したの」
「そんな・・・あれは事故だと・・・」
「あのトラックはお父様がお姉ちゃんが来るタイミングを装って仕組んだ車なのッ!!!」
「ルイルお嬢様・・・・」
そんな複雑な関係に陥っているショートス家に1人の青年が現れた。
代々ショートス家に仕えし、ピック家の少年だった。
「・・・・ッ!?」
「私は国王様に執事を下ろされました。これからは我息子・・・『ガネスト・ピック』になります」
「・・・な・・・・・」
「我ピック家に置いての最年少です。ルイル様に必ず忠実に従いますので・・・」
「・・・いらない」
「・・・はい?」
「執事なんて・・・いらないッ!!」
ルイルは、ガネストを睨むようにして見た。
ガネストも、呆れた顔で一言ルイルに告げた。
「こんなお嬢様に仕えるのか・・・次期王女が情けないですよ?」
「貴方こそ・・・従う気あるの?」
「全くないです。こんなの嫌々なんですから」
「そんなのこっちから願い下げなんだからっ!!」
「・・・全く頑固な王女だ」
これが、ガネストとルイルの出会い。
我ままな王女と、
無愛想な執事。
本当にこの2人を一緒にしていいのか、と。
元執事は心の奥底で思っていた。
そして、その国に偶々立ち寄った1人の少女。
「ふぇ〜〜っ!やっぱレトがいないとダメだぁ〜〜」
黄緑色の髪を持つ、あのロクアンズ・エポールだった。
この3人の出会いが、今後のこの国の運命を変える事など、
誰も予想してはいなかっただろう。