コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 最強次元師!! ( No.560 )
- 日時: 2010/10/01 23:53
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: TV9sr51/)
- 参照: 最強次元師!!等、色々と執筆中—*
第142次元 エンの心
長い廊下を歩き、
とある少年の部屋に向かったロクとレト。
昨日、光節からの頼みを受けた2人は、
歩きながら作戦会議をやっていた。
「んで、どうするかだが・・・」
「そうだねー、でも確かエンってデスニーに感情を奪われたわけでー・・・」
「やっぱ無理か・・・」
レトがはぁ…っと溜め息をついた時、
ロクが何か思いついたような顔をした。
「あった」
「・・・何が」
「エンを助ける、唯一の方法」
「?」
ロクはにやりと微笑んで、レトを引っ張り、
何故か光節とエンを外へと呼んだ。
「あの・・・ロク殿?」
「何?光節」
「此処で一体何を・・・」
ロクはぴたりと止まって、
にこやかな顔でこちらに振り向いた。
「無次元に、行くんだよ」
「「—————ッ!!?」」
レトと光節は絶句した。
まさかロクの口からそんな言葉が出るとは。
「冗談だろ?ロク」
「こんな広場まで来て、冗談なんて言わないよ」
「まさか・・・エン殿だけでですか?」
「いや、違うよ」
「どういう事だよ」
「あたし達も、挑もうよ、レト」
「!?」
「エンだけ行かせるのはフェアじゃないし、それに・・・」
「・・・?」
「そろそろ、目にも限界が来たんだよ」
「限界?」
「そう、この頃目眩とか、急に目が痛くなったりとか・・・。やっぱり人工はダメみたいで」
「そう言われてみれば・・・俺もそろそろ限界かもしれねぇな」
「でしょ?だから・・・」
「でもさ」
「?」
「もし、負けたらどうするんだ」
「・・・」
「いくらあれから大分経ったからって、あいつより強い保障は・・・」
「レト、何言ってるの?」
ロクは、レトの言葉に対して冷たく言い放った。
「え・・・」
「今更怖気づいたなんて、言わないでよ?」
「怖気づいてなんか・・・っ!!」
「確かに怖い。あたしも怖いよ。でも、それじゃ何の意味もないっ!!」
「・・・!?」
「前に進もう、取り返すんだよ、あたし達の体もエンの心も」
「・・・分かった」
「ロク殿・・・」
「心配しないで。貴方がエンを信用してるなら、必ずエンは勝つ」
「その自信は・・・」
「自信っていうのはさ、どっからでも沸いてくるんだよ」
ロクはそう言って、大きな陣を書き始めた。
それは、無次元の扉を開くための陣であり、
運命に辿り着くべく、道標でもある。
「・・・さて、こんなもんかな」
「久しぶりだな・・・無次元に行くのは」
「あそこは次元の無い世界・・・だからね」
「決して・・・侮る事はできませぬな」
「そういう事。・・・んじゃ行くよ」
3人はごくりと喉をならした。
何年ぶりなのだろうか、無次元の扉を開くなど。
もう2度と行きたくのない…無知の世界。
死者の魂の集う場所、それが無次元だ。
「・・・エンに、叫んでもらう事はできるかな」
「・・・・・」
「無理そう・・・か」
「んじゃあ代わりに光節が言ってよ」
「拙者が・・・っ!?」
「次元師と元霊は一心胴体。問題ないでしょっ」
「はぁ・・・」
「さて、やるぞロク」
「うんっ!!」
胸の鼓動が速くなる。
己の失った物を取り戻すべく3人の運命との戦いは、
今、幕を開く。
「「「無次元の扉—————————————発動ッ!!!」」」