コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 最強次元師!! ( No.565 )
- 日時: 2010/10/17 18:56
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: TV9sr51/)
- 参照: 最強次元師!!等、色々と執筆中—*
第145次元 偽者Part2
深い闇に紛れている2つの少年の姿。
風も無く、音もないこの世界で、
ただ息の音だけが、響き渡る。
「エン・・・殿」
「言って筈だ。俺はエンであり、エンでないと」
「・・・」
静まり返った暗闇で、
偽者はダッ!!と足で地を蹴って迫ってきた。
「!?」
「・・・———————、一閃!!」
神々しい光を放つ大きな弓を構えて、
偽者は一気に手を離し、放射する。
「エン殿!!」
鋭い矢は、エンに向けられた。
だが光節は瞬時に気付き、無理やりエンを引っ張って辛うじて避けた。
荒い息をたて、光節は佇む。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「もう息が荒いな。所詮は千年前の英雄」
「く・・・っ」
光節は、ごくりと息を飲んだ。
何も言わず、何も聞こうとはしない、
たった1人の主を見つめて。
「・・・エン殿、お許し願います」
「・・・?」
「これより、光節こと【一閃の狩人】は、この名を持ってして貴方に挑みます!!」
「どうするつもりだ?」
「エン殿に・・・お力を貸して頂くだけです」
「力・・・?」
「次元の扉——————、発動!!」
「な・・・っ!?」
「————光節!!」
光節は自分の次元技を、懐から取り出した。
己がなるとも知らなかった、狩人の武器。
そう、眩い光を放ち、この世に再び降臨する、
光節という名の1本の弓。
「いざ————————、参る!!」
光節は片手に弓を持ち、偽者の懐に入り込む。
「俺の相手は・・・お前じゃない!!」
「エン殿には指一本、触れさせはせぬ!!」
共に放たれる2本の矢。
技は掠めるも、必死になって弓を引く。
「第五次元発動!!」
「・・・第五次元発動」
「「多閃連騎————!!」」
2人の技は同時に発動し、
同時に放たれ、同時に討つ。
多数の矢が一瞬で放たれ、自分の方へと飛んでくる。
それを全て避けながら、またしても戦い続ける。
まだ光節は信じている。
己の主人を、己の信念を。
傷つけはしない、
何年も仕えてきた、心から慕える主人を。
今では、光節にとってエンの存在は、
どういうものなのだろうか?
「く・・・———っ!!」
「流石だな、千年前の英雄よ。腕が違う」
「敵を褒めるとは・・・余裕のある方だ」
「ふっ・・・何を言うか!!」
シュパンッ!!!
「ぐあぁッ!!」
「爪が甘いな」
偽者の放った弓が、光節の腕に命中した。
顔をしかめて腕を抑える光節に、
もう限界が訪れているのだろうか。
「さぁ立て英雄。心を失った貴様の主人を———————、救ってみろ!!!」