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Re: 最強次元師!! ( No.590 )
日時: 2010/10/31 17:02
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: TV9sr51/)
参照: 最強次元師!!等、色々と執筆中—*

第147次元 神族×神族

 「どうしたの?かかってこないの?」

 何度もロクに声をかける、もう1人のロク。
 応答する事なく、ロクは佇む。

 「・・・」
 「もしかして、驚いてる?」
 「・・・驚いてるよ」
 「やだなぁー、見慣れてるでしょ?」
 
 (どういう事・・・?鏡の能力は神族にも使えるっていうの・・・?)

 正に神族同士の戦いだった。
 世界で有り得ない、
 禁じられた戦い。
 
 「・・・まぁいっか。さっさと倒してレト達を探しに行くっ!!」
 「・・・さっさと、とはいかないと思うけどね♪」
 
 ザ・・・ッ!!と2人とも足場を踏み慣らし、お互いを睨み合う。
 
 「「第五次元発動———————、雷弾ッ!!!」」

 両方から放たれる無数の雷。
 まるで隕石のように雷は敵を目掛けて向かってくる。
 2人はその攻撃を器用にかわし、偽者はくるっとまわって着地した。

 「・・・!?」
 「・・・驚いた?」
 「何で・・・同じ事を・・・?」
 「当たり前じゃない。だって——————」
 
 その瞬間、偽者の姿は消えた。

 (後ろから狙っ・・・————!?)

 ロクがバッ!!!っと後ろを向いた時には、
 偽者の姿はなかった。

 
 「————————心の神族、でしょ?」

 既に前にいた偽者は、ロクが避ける暇も与えず、

 「雷撃ィィィィーーーッ!!!」

 真正面から雷撃を放つ。

 「ぐぁぁぁああッ!!」

 あの莫大なる大きな術を正面で受けるなど、
 死を覚悟をする事この上ない。
 
 「ぐ・・・ッ!!」
 「なぁーんだ、案外しぶといじゃん」
 「こういう・・・性格なんでね・・・」
 「・・・そんなの分かってるよ」
 「・・・」
 「心の神族なんだから」

 そう、偽者は微笑んだ。
 腕を負傷したロクは、右腕を掴んで起き上がる。

 「・・・さて、こっから本番かなぁ?ロクアンズ」
 「手なんか・・・絶対抜かないからねッ!!!」

 ロクは腕を離して偽者から離れた。
 偽者は鼻歌を歌いながら、笑いながら佇む。

 「雷撃ィィィーーーッ!!!」
 
 ロクは手を目の前に翳し、一気に雷撃を放つ。

 「んじゃ・・・————雷払ッ!!!」
 「・・・!?」

 偽者はロクも聞いた事もない技を繰り出した。
 偽者は手をクロスしたまま雷撃を横へとなぎ払うように払った。
 その技は・・・たった1発で雷撃をなぎ払い、全てを無効化させた。

 「な・・・っ!?」
 「偽者ってったって、別に完全コピーじゃないよ?君の使えない技も扱える」
 「雷・・・払・・・・」
 「そう、その技は雷により全ての魔法攻撃をなぎ払い、しかも使い方を変えれば直接攻撃にもなる」
 「そんな・・・技が・・・」
 「・・・さてさて・・・質問ターイムっ!!」

 偽者は、指を立て、大きく手を挙げて叫んだ。
 確かに偽者は、『質問タイム』と言ったが。

 「・・・?」
 「さてさて、君は神族だよね?」
 「そうだけど・・・」
 「君に、守りたいものってある?」

 (守りたいもの・・・?)

 「ほら、大事な人とか・・・」
 「あぁ」
 「何かあるでしょー?」
 「人間だよ」
 「人間?」
 「この世の人間全員、あたしの守りたいもの」
 「・・・へぇー・・・」

 偽者は、目を細めて小さく呟いた。

 「・・・でも、君は神族なんだよね?」
 「・・・?」
 「神族ってさ、ほら、人間の敵じゃん」
 「・・・そうだよ?」
 「信用なんて、得られるの?」

 ロクが幾日も幾日も考えていた大きな問題。
 神族のロクにとっても、とても大きな壁だった。

 「・・・信用なんて、いらないじゃん」
 「へ?」
 「あたしが勝手に人間を守りたいだけ」
 「・・・ガネスト、ルイル、ラミア、ティリナサ、ミル、リルダ」
 「・・・!?」
 「コールド、フィラ、メッセル、テルガ、ヴェイン、セブン、レトヴェール、キールア」
 「・・・・・」
 「今言った全員の信用を、君が得ているとでも?」
 「・・・得てないよ」
 「もし君の事・・・、軽蔑してたらどうするの?」
 「ど・・・どうでもいい」
 「嫌いだとか、消えてほしいとか・・・、もしかしたら死んでほしいとかも思ってるかもねぇー♪」
 「・・・・・そんなの・・・関係ないッ!!」

 ロクにとって、人間を守るのは当たり前の事。
 人間からの信用など要らないと、幾度も自分に言い聞かせた。
 いや、言い聞かせたつもりだった。
 まだ心の中に闇がある。
 怖いという・・・たった1つだけの感情。
 
 心の神は・・・どう捕らえるのだろうか。