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Re: 最強次元師!! *オリキャラ募集(第2弾)* ( No.711 )
日時: 2011/01/06 10:01
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: jQHjVWGa)

第162次元 白銀の少女Ⅱ

 「か・・・怪物が現れたぞォォォーーーーッ!!!」

 男の子の叫び声耳に届いたと同時だった。
 あの、次元師の宿敵である神族が生み出した怪物が、今目の前に姿を現した。
 『元魔』・・・。

 「ミル!!早く逃げようよ!!!」
 「・・・」
 「ミルってばぁっ!!」
 
 私には・・・義務がある。 
 次元師として、この元魔を葬るという、義務。
 まだ4歳のあたしには次元師の資格はないけれど、でも、やるしかなかった。
 何てたって・・・元魔は次元師にしか倒せないという条件がある。
 人間がどう足掻いても倒せる相手じゃない。

 だから、逃げる訳にはいかなかった。
 
 次元師として・・・目の前の元魔から退く訳にはいかない。

 「・・・ハルは逃げていいよ」
 「ミル・・・?」
 「あたしは次元師だから、戦わなきゃいけない」
 「でも・・・!!」
 「大丈夫、絶対負けない」

 あたしに絶対の自信がある訳じゃないけど。
 ここの人工元力を狙ってきたというのなら、追い返すしかない。
 誰1人——————犠牲者はつくらない。

 「ミル・・・」
 「早く逃げて、ハル達が敵うような相手じゃない」
 「・・・絶対」
 「・・・?」
 「絶対・・・帰ってきてね?」

 ・・・ハルは瞳を潤ませて、そう言った。
 
 あたし・・・約束は破らないから。

 「・・・平気、大丈夫」
 「そっか・・・絶対・・・約束だからねっ!!」
  
 走る去るハルと、もう皆がいない事を確認して、あたしは目の前を向く。
 元魔の目の前に立つと・・・自然に足が竦む。
 でも、そんな暇はない。
 死ぬ気で戦場に立つ——————それが次元師の定めなのだから。

 「・・・さぁ元魔、あたしと遊ぼう?」
 「・・・ガルルルル・・・・」
 「って言っても———————」

 あたしは、実験服の長い袖から腕を出して、それが何かを持ち上げるような姿勢にした。
 こうでもしなきゃ・・・戦闘体勢っていうのが伝わらないでしょう?
 
 「———————遊び殺すって意味だけど」
 
 あたしは元魔から少し離れた位置へ後ずさりした。
 できるだけ離れて・・・・様子を伺いながら戦う。

 「次元の扉発動—————————」

 あたしは唱える。
 その忌々しい、次元技の名を。

 「————————幸罰ッ!!!!!」


 “幸福”と“処罰”を与える次元技。

 それがあたしの・・・次元技。

  
 「第五次元発動—————断決!!!」

 あたしの掌の上に乗った2つの光。
 右手には青白く、左手には神々しく光る、光の塊。
 あたしは目を瞑って、相手に処罰か、幸福のどちらを与えるかを決める。
 
 まぁ————元魔なんて処罰に決まってるけれど。

 
 「汝を悪しき者と認定————、今この時を持って処罰を行う———ッ!!!」

 
 あたしの両手はどちらとも青白く光り、その禍々しい気を纏う。
 さて・・・今回はどんな処刑の仕方がいいかしら?

 「第六次元発動——————剣刺刑ッ!!!」

 あたしは指と指の間に挟めるくらいの太さの剣を8本挟み、その鋭い刃を向ける。
 こんな小さな剣じゃあ・・・喰らうか分かんない。
 でも、やらなくては意味がない。

 あたしは勢い良く小さな剣を投げた。
 真っ直ぐに、曲がる事なく直線的に向かう剣。

 (捉えた————————————ッ!!!!)

 
 そう、一瞬の隙を見せた瞬間だった。


 「・・・、な・・・ぁ・・・・ッ!!?」


 剣は確かに捉えた・・・はずだった。

 だけど・・・どういう事?
 まるでびくともしない。
 それどころか・・・元魔は剣を片手で弾き飛ばした。
 鋭い音と共に落とされた剣を見て・・・あたしは、挫折する。
 でも、こんなのただの序章・・・。


 「負ける訳には————いかないから」

 
 あたしが倒さなくて、誰が倒すの?
 この人工元力だらけの研究所なんかに元魔を呼び込めば、破壊は勿論、大惨事。
 そんな事・・・絶対させない。

 「第六次元発動——————————聖剣突禍ッ!!!!」

 さっきまでとは違う・・・本物の剣。
 それを4本程出現させたあたしは、それを軽々と持ち上げる。
 これからが戦い。だから・・・。

 「甘くみないでよね————————————ッ!!!!」

 4本の剣を、あたしは勢い良く投げた。
 さっきみたいに、曲がる事なく。
 これは落とせない・・・何故なら。

 「—————ッ!!?」

 「それ・・・実は自由自在だったりしてね」

 縦横無尽に、しかも自由自在に操れる、剣。
 獲物を捉えるまで追いかけ、攻め続ける最悪の次元技。
 それであたしは元魔の両腕、両足を研究所の壁を後ろにして捉えた。
 そう・・・さっきの剣を刺して、動けなくして。

 「さぁて・・・どうする?」
 「ガ・・・ァ・・・ァァァァァッ!!!」

 喚くなんて・・・なんて哀れな生き物だろう。

 まぁ・・・、人の事なんて——————————言えないけれど。


 「第七次元発動————————————」



 でも、

 貴方みたいな怪物のようになりたいとは、


 きっと——————————願わないかな。


 
 「——————————殺針ッ!!!」


 あたしは捉えた元魔に向かって、
 幾つもの針を投げる。
 10や100でもなく、1000以上の鋭い針を。

 ただ——————目の前の捉われた怪物に、放つ。