コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 大嫌いだよ、君なんて。 $実話$ ( No.468 )
- 日時: 2010/03/02 19:13
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: uRjlitq/)
- 参照: 『努力をすれば、いつか報われる』——本当にそうなのかな。
第二百二十八話『思わせぶりな君』
「……」
泣いて真っ赤になった瞳。
私になんか居ないように過ごしている、騒がしい教室。
そんな中で、私は一人で窓の外を眺めていた。
「……」
ここの学校の屋上から飛べば楽になれるかな……とか、
授業中窓から脱走して、車に引かれる……とか、
不登校になるとか、
保健室登校したい……とか。
ひたすら色々なことを考えていた。
「……そろそろおかしくなってきたな、私」
今までは、なんとか頑張って来れてた。
君が居たから、
君と話せたから。
だけど、今回ばかりはさすがに辛い。
「……」
二回もフラれた私。
そして、相手に誰かわからない彼女がいるならば——……。
もう、どう頑張ったって無理だよ……。
「あー……」
私は、頭を抱え込んで唸った。
もう、なんで私がここに居るんだろう!?
本気でそう考えた。
すると、横の方から視線を感じた。
私がゆっくり顔を上げると——……。
「……っ」
怜緒がこっちを見ていた。
私はドキッとして、目を逸らす。
怜緒は何か言いたそうな感じだったが、横目で私を見た後去っていった。
「……」
もうドキドキさせないでよ、馬鹿。
——いっそのこと、本当に君を大嫌いになろうかな。
お願い、大嫌いになるほど酷いことを言って。
お願い、大嫌いになるほど酷いことをして。
でもね、そんな願いも無駄なだけなんだ。
「……」
怜緒が去ってった後も、遠くからだけど怜緒と目が合った。
でも恥ずかしくて私から逸らしてしまって——……。
私の事好きじゃないんなら、目なんか合わせないでよ。
私の事好きじゃないんなら、もう構わないでよ。
そう思っていると、怜緒は自分の席に戻っていった。
まだ昼休み中なのに、ポツリと一人で——……。
「……?」
自分の机に座り、足をブラブラ。
視点はどこを向いてるのかわからない。
何してるんだろう……?
怜緒を見ていると、何回か目が合った。
しばらくすると、怜緒は椅子に座って頭を抱え始めた。
何を考えてるんだろう……?
彼女の事?
……そりゃそうだよね。
私なんか、眼中にないよね。
それどころか、存在自体忘れ去られてるよね。
あぁ、本当もう嫌だ。
でも、なんで目が合うんだろう……?
期待させないでよ、お願いだから。
これ以上、期待させないで——……。
**
五時間目は、卒業式練習。
廊下に整列する時、怜緒と目が合った。
でもやっぱり私から逸らしてしまう。
女子と男子に別れて座るので、私はさくらと絵里那の隣になっていた。
後ろには愛可……。
「嫌な組み合わせ……」
そう思いながら、大きなため息をついた。
「——……では、合唱します」
先生の呼びかけで、私たちは立つ。
その時——……。
「……」
男子の列に居た、怜緒と目が合った。
女子の所から男子の列までは、五メートルくらいある。
そして、周りにはたくさんの人……。
でも、君だけの姿がハッキリと映ったんだ。
——そう、君だけが。
「……」
やっぱり、君が大好きだ。
彼女が居るから、もう叶わない。
二回もフラれてるから、もう叶わないけど——……。
この気持ち、胸の奥にしまっててもいいよね?
**
教室に戻り、私は椅子に座って頭を抱えた。
なんだか色々考えすぎたせいか、それともストレスのせいか……。
なんだか頭が痛かった。
「はぁ」
私は一つため息をついた。
その瞬間、左に居た男子がこっちに向かって構えていた。
色黒だったら城沢だけど、色白だからな……。
でも左っていえば、森野だよな。
そう思いながらスルーしていると、
「ふっ」
「?」
その白い肌の男子が、紙に息を吹きかけた。
小さな風と共に、謎の紙が私の元へ。
やっぱ森野か……。
そう思っていると、
「え——……?」
紙が飛んできた場所には、怜緒が居た。
軽く私を横目で見た後、早足で去っていった。
「……怜緒が、私に向かって……?」
馬鹿。
馬鹿怜緒。
これ以上期待させないで。
彼女が居るんでしょ?
思わせぶりはやめてよ……。
「……っ」
そんな君にときめいちゃう私は、
やっぱり君が大好きなんだなぁ……。
辛いだけ、なのにさ。
三月——……。
桜舞い散る、別れの季節。
クラス替えまで、あと少しの期限となった。