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Re: 封魔士軍団—アボロナ— ( No.2 )
日時: 2010/02/28 16:41
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

2話




「入ってきなさい」

「あ、は・・はい」

女の子が恥ずかしそうに部屋の中に入る。
童顔で水色の髪が左右に結んで腰あたりもある。女性は呆れた顔で

「鈴華。もう少ししゃきっとしろ」

「すいません、刹那さん」

「刹那っていうのかお前」

刹那はああっと言った顔で

「そういえばまだ名乗っていなかったな。私は双神 刹那 (ふたがみ せつな)。
こっちは天女乃 鈴華(あまめの りんか)」

「よろしくお願いします」

鈴華が頭を下げる。

「ああ、俺は獅子山 琥空。よろしくな鈴華」

「さて、自己紹介も済んだ事ですし話の続きを・・っと失礼」

電話がかかってきた。それを受け取り話終わったあと統帥は申し訳なさそうな顔して

「すいません。用事ができたもので私はここで失礼させてもらいます」

「お・・おいおい。話の続きはどうすんだよ」

琥空が叫ぶと刹那が琥空の頭をどついた。

「統帥に対してその言葉使いはなんだ!?」

「いいですよ。刹那さん。琥空さん、話の続きは刹那さんから聞いてください。それでは」

統帥は部屋を出て何処かに行ってしまった。



「さてと、どこから話せばいいのか・・・」

刹那は頭を齧りながら言った。

「とりあえず封魔士の事から話せばいいんじゃないでしょうか?」

鈴華の問いに刹那は頷き

「・・・封魔士というのは先ほどの様な化け物を滅する事を
生業としている者たちの総称だ。そして、それをまとめ上げて一つの組織として
活動しているのが、封魔士軍団—アボロナ—だ」

「ああ、あの黒い化け物の事か」

あの時の事を思い出して身震いする。

「まったく、君が出てこなければ簡単に始末できたのものを」

その言葉に少し腹を立てた琥空は

「それは悪かったな。どっかの誰かさんが化け物相手に後ろを向いていたからな」

「あれは囮だ。狙ってきた所を狙おうとしてた時に君が私の邪魔をしたんだ。
まさか一般人に私らが見えているとは思いもしなかったからな」

「昔っから霊感は強かったもんでな」

刹那は不思議そうな顔して

「第一それほどの霊感があってよく今まで闇魔神(アマガミ)に狙われなかったものだ」

「アマガミ?さっきの黒い化け物か」

「そうだ。アマガミは一般人を襲うことはない。奴らは君のような霊感の強い人間を襲い、
食し自らの力へと変えるモノだ」

琥空はしばらく考えた後

「まぁ、大体分かったからいいか。それで俺の中に入っているコアってのは何なんだ?」

「簡単に説明すると、アマガミの心臓だ」

刹那の言葉に琥空が動きを止める。刹那は微笑し

「安心しろ。それで君がアマガミに変貌するなんてことにはならない」

その言葉に琥空はいつものような笑みを浮かべ

「そうか、そりゃあ良かった。で、なんでそんな物を封魔士軍団が持ってんだ」

「アマガミを倒すにはアマガミの力が少なからずいるんだ。
本来コアは封魔士が持つ武器『封器』に埋め込まれているものだが、
鈴華がそれを勝手取って君に埋め込んだんだ。
まったく、コアは封魔士にとって命の様なものだというのに」

刹那が鈴華の方を見る。鈴華を目線を落とし

「ご・・ごめんなさい。でも・・・」

「そうそう、鈴華のおかげで俺はこうして生きてるんだから俺は鈴華に感謝してるぜ」

その言葉に鈴華が少し顔を赤らめる。刹那はため息をついて

「確かに結果的にいえば良かったかもしれない。ちゃんと心臓の役割を果たしていれば
普通の心臓の隔たりはないしな。・・・・ほかに知りたいことは?」

「ないな」

刹那は一瞬驚いた様子で見せたがすぐに

「そうか」

と、うなずいた。そして

「じゃあ、こちらからも一つ質問させてもらおう?」

「ああ、なんだ」

「封魔士になるつもりはないか?」

刹那に誘いに対しても琥空は落ち着いた口調で

「そいつは驚きの質問だな。封魔士ってのは誰にでもなれるものなのか?」

「誰でもなれるものじゃない。君の中にはコアがある。コアは人の潜在能力を
開花させる力を持つ。君はすでにアマガミと戦える存在だ。
戦えるものは一人でも多いほうがいい」

琥空はしばらく考えた後

「しょうがねえ。女の子からの申し出とあっちゃあ断るのは野暮ってもんだしな。
やってやるよ、アマガミ退治」