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Re: 封魔士軍団—アボロナ— 16話更新 ( No.54 )
日時: 2010/09/15 22:27
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)

17話




「なんだこいつ!?」

地面に降り立った琥空が上を見上げると、そこには巨大なナマズのような
化け物がいた。

「うぎゃああぁぁぁ!!」

「・・・!!蛇亀!」

地面に激突しそうになっていたタイショウと清水を玄武で受け止めると、
そのままそっと地面に下ろさせた。二人は運悪く、いや運良く気絶してくれていた。

「これも、アマガミなのか?」

考え耽る琥空だが、アマガミは許してはくれない。
アマガミはその巨体を跳ね上げさせ、琥空にのしかかりを仕掛けてくる。

琥空はそれを玄武で押さえるがあまりの圧力に玄武が消滅しそうになる。

「つっ・・・!!清炎の爪翼・フレイムガルダ」

左腕から朱雀の翼を出してアマガミの腹を切り裂く。
傷はほとんど見られなかったが、浄火の力が効いたのだろう。
アマガミはぐらりと揺れて、背中から地面に落ちた。
ドシーン、と衝撃で地面が揺れる。まるで地震のようだ。

「さっすが、ナマズのアマガミだな。地震を起こすのは得意のようだな」

アマガミは起き上がると、頭にきてたのかその場でじたばたし始めた。
ただじたばたしているのら良いのだが、その衝撃が地面に伝わり、地震を起こす。

「うお!!っとと・・・っとおぉ!!」

あまりの揺れにバランスを崩し、尻もちをついてしまった。
アマガミはそれを狙っていたのか、その瞬間に口ひげを伸ばし琥空に巻き付かせた。

「な・・なんだ・・・。力が・・・抜けてく・・・」

ひげに巻きつかれた途端、全身の生気を抜けれる様な状態に陥る琥空。
アマガミはそれに手ごたえを感じたのか、そのまま琥空を自分のまん前まで持っていくと
大きな口を開けて喰らった。

アマガミは満足そうに舌舐めずりをすると、地中に潜ろうとした。だが、その時
アマガミは自分の体内で何かの不安を感じ取った。

『莫迦が・・・・。てめえに死なれるとこっちも困るんだよ』

—ズドーーーン!!—

「琥空!!」

ちょうどそこに刹那と鈴華が現れた。今まで風呂に入っていたのか、頭からはぽたぽた水が滴る。
その二人が見たのはなんとも想像しえない状況だった。

オオナマズ型のアマガミが突然苦しみだしたと思ったら、身体が膨張し、そして破裂した。
その体内から出てきたのは琥空。全身血塗られている。

その時二人は一瞬だが見た。琥空の胸のタトゥーが以前よりも伸びていて、顔の付近まで伸びていた。
だが、タトゥーはすぐに消えてしまい。琥空もまたその場に倒れこんでしまった。

「・・・大丈夫だ。気を失っているだけだ」

刹那が駆け寄り琥空の状態を見て、告げる。

「はぁ、良かった」

鈴華は安堵したように胸を撫で下ろす。だが、すぐに次の不安が浮き上がってきた。

「・・・あの胸のタトゥー、何だったんでしょう?」

「分からない。一瞬だったから、もしかしたら気のせいだったのかもしれないな」

「・・・そうだといいんですけど・・・」

——————————翌日——————————

「青い海、青い空、そして可憐な水着美少女たち!!」

「そんなこと言ってると、また昨日みたいに罰が当たるよ」

タイショウの横から清水が突っ込む。昨日の事は一応、覗きをしようとした
琥空たちが地震の被害で頭を打ち気絶した、という結果で終わった。

3人は先生たちに指導を喰らったが、未遂という形で終わったので、なんとかこの場に居られている。

「だからと言って今のこの状況を黙って見ていろなんて俺には出来ない。さあ、行こう!!心の友よ!!」

タイショウは清水の腕をつかむと、浜辺で遊んでいる女性生徒たちの元に向かった。
また指導喰らいそうだな。清水は内心そう思いつつも、タイショウの後を付いて行った。

琥空はと言うと、指導を喰らいたくないのでタイショウたちとは別行動をしていた。
涼もうと思い、家の影になっている所に行くとそこには既に先客がいた。

「琥空さん!!!??」

「鈴華、こんなところで何やってんだ?」

鈴華が物凄い慌てふためいた顔でこっちを見ると全身を隠すように縮こまった。
そんな状態で、あははとこちらに笑顔を向けてくる。

「こ・・琥空さんはこんなところで何やってるんですか??」

「いや、俺は暑いから涼もうと思って。で、お前は何で・・・」

ちらりと鈴華の水着姿を見る、琥空はそれですぐにああ、と分かってしまった。

「恥ずかしいならそんな水着つけてこなきゃいいのに・・・」

「うう・・・。私こういうのよくわかんなかったんですよ!
それで、刹那さんに頼んだらこんなものが・・・。もう、ぎりぎりでしたからこれしかなかったんです。」

鈴華は涙目でこちらに訴えてくる。刹那の周りを気にしない性格がこんなところにでたか。
琥空は苦笑気味な表情でそう思う。それを見て不安になったのか、鈴華が

「やっぱし、似合ってないですよね。こんな水着私には・・・」

「いや、世間一般上この上ない似合い様だと思うが・・・」

琥空は素直な感想を述べる。すると鈴華は本当ですか?、と投げかけてくる。

「ああ。まぁ、俺としては鈴華がずっとここに居れば、ずっと鈴華の水着姿が見られるから
そのままずっと恥ずかしがってくれて結構だけど」

琥空の言葉に鈴華はこの上ない程赤面する。耳まで真っ赤だ。

「こ・・琥空さんにずっと見られてるのは流石に耐えられないので、私行きますね」

そう言って立ち上がる鈴華。そこではっきりと鈴華の水着姿が見えた。
ビキニにスカートが着いたもので、胸の部分とスカートに可愛らしいリボンがくっ付いている。
これにときめかない男性がいるのだろうか、と思うぐらいの似合い様だ。

「タイショウに気をつけろよ。今いろんな女にナンパ中だから。
タイショウの目に入ったら真っ先に声かけられるぞ」

「ふふっ。はい、気をつけますね琥空さん」

鈴華は最後に琥空に笑顔を向けるとそのまま去って行った。琥空はそのまま昼寝に突入した。

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「・・・きゃああぁあぁぁぁ!!」
「うわああぁぁぁぁあぁ!!」

「うん?」

外がやけに騒がしい。そう思い眠い目をこすり海辺を見ると、琥空は眠気が一気に目が覚めた。