コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 封魔士軍団—アボロナ— 23話更新 ( No.66 )
- 日時: 2010/12/13 19:53
- 名前: アビス (ID: U3CBWc3a)
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『レン、ギン。仕事だ』
琥空が呼ぶと二人は颯爽と現れた。そして琥空から内容を聞くと姿を消した。
「順調だな」
すると奥からあの男が現れた。琥空は少し仏頂面で
『お前の頼み通り、レンとギンに取りに行かせた。けど、わざわざあの二人じゃなくても
それに適した人材は沢山いるぞ。なぜ、あの二人に?』
「確かにその者たちなら素早く取りに行く事は出来るだろうな。
だが、万が一その事に封魔士が気付けば、その者たちでは対処が出来ない」
「確かに、あいつらは探知専門の奴らだからな」
「そう言うことだ。大事なものだが、一番不味いのは封魔士に渡る事だ。
最悪、破壊してしまってもあれに詰まってる物はいずれ再生する」
男の言葉に琥空は方を竦めながら言った。
「・・・俺にはお前のその崇高な趣味は理解できないな」
そう言うと、男は本当に面白可笑しそうに笑いながら。
「だろうな。今までも理解してくれる者は誰もいなかった」
——————————トルニス——————————
「任務ご苦労様です。鈴華、刹那」
統帥室に呼ばれた刹那と鈴華が統帥に言われた言葉はますそれだった。
「いえ。まだ任務は終わっていません。しっかりとことの究明をしなければなりません」
「そうですか。では、改めて今日ここに呼んだ理由ですが、コアを取りに行ってもらいたいのです」
「コア?・・・ということは新しい封器になるコアが見つかったのですか?」
刹那の言葉に総帥は頷いた。
「ええ。最近はまったく見つからなかったのですが、ここから北東100キロの地点にそれらしい
反応が出ました。本来コアの奪取は天の3段階以上を倒せる者に行かせるのですが、
今は生憎皆出払っていましてね。それであなたたちに頼みたのです」
「ですが統帥。私たちはまだ天の3段を倒したことは有りません」
刹那の言葉に統帥は笑顔で
「大丈夫ですよ。確かにあなたたちはまだ倒していないですが、その実力は十分にあると思いますよ」
「あ・・ありがとございます!」
統帥の言葉に頭を下げる鈴華と刹那。
「それでは、あなたたちに神の御加護があらんことを」
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「こんな森の中にアマガミがいるんですか!?」
「さあな!!」
北東100キロの地点は森に囲まれた樹海だった。その中を鈴華と刹那は疾走していた。
今回は湊はいない。これは完全にこちら側の事だ。湊は巻き込めない。そう判断してのことだった。
「アマガミらしき気配はまったくしないな。どうなっている?」
刹那は一度立ちどまると当たりの木を調べる。そして訝しげな表情をすると
「・・・・鈴華、周りの木を操ってみてくれないか?」
「え?・・・いいですけど・・」
不思議に思いながらも鈴華は封器を取り出して、周りの木を操ろうとした。
「・・・・え?」
周りの木を操れない。何度試しても木はうんともすんとも言わなかった。
「この木、作り物ですか?」
「いや、確実に本物の木で間違いない。だが、自然の物ではない事も確かだ」
刹那が周りを警戒しながら言った。
「気を付けろ鈴華。アマガミの他に何かいるぞ。そしてそれは確実に私たちの
存在を確認す惑わそうとしている」
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森の中のひっそりとした場所。そこに男女二人が立っていた。
「どうだ、レン?」
「ええ。大丈夫よギン。あいつら、仕掛けには気付いているみたいだけど、
まだ抜け出すには時間がかかりそうよ」
「そうか。なら急ごう」
レンとギンは目的の場所に向かって走りだした。
「始めは琥空さんがなぜ俺達にこんな仕事任せたのか不思議だったが、
なるほど。封魔士の奴らも来ていたのか。さすが琥空さんだな」
「そうね。やっぱ琥空様は素敵ね〜〜」
レンはうっとりとした表情を浮かべ
「相変わらず琥空さんにぞっこんだな」
「そりゃあそうよ。琥空様にならこの心も身体も全てを任せても構わないわ」
「あ〜〜。はいはい、分かったよ」
ギンが手をブラブラさせながら言うと、レンがむっとした表情で
「何よその投げやりな言い方!?あんた、琥空様がどれほどの方か分かってんの!?」
「琥空がどれほどの人物かって?」
「!!!」
突然の現れた声に二人は立ちどまった。
「琥空を崇高しているようだが、それは大きな間違いだぞ。あいつは崇高するには値しない人物だ」
「・・・!!誰だい!!?琥空様を侮辱するなら奴はこのあたしが許さないわよ」
レンが怒鳴りながら言うと、後ろからの殺気の塊が自分に向かってくる。
「樹木降誕」
レンの背中が蠢き、そこから木が飛びだした。殺気の塊はそれを見てレンの頭上を飛び越える。
「なぜならあいつは崇高される存在ではなく、悪友と称される存在だからな」
「でも、刹那さん。琥空さんを仲間と、認めてるんですよね」
現れたのは口元だけに笑みを浮かべた刹那と笑顔一杯の鈴華だった。
「ああ。私もとんだ悪友を仲間にしてしまったもんだ」