コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 封魔士軍団—アボロナ— 25話更新 ( No.68 )
- 日時: 2010/12/23 11:05
- 名前: アビス (ID: U3CBWc3a)
——————————?????——————————
—プルルルルルッ プルルルルルッ—
琥空は自分の携帯が鳴っているのに気付き手に取る。
『あっ。琥空様』
「レンか。任務は順調か?」
その言葉にレンは嬉しそうに鼻を鳴らした。
『任務は無事に成功しましたよ。今ギンがコアを持っています。
序でに歯向かってきた封魔士の小娘2人も倒しと来ましたよ」
「小娘2人・・・」
『ええ、どうします?奴らまだ息はありますが止め刺しときましょうか?
と、いっても放っとけば死にそうですけどね!!』
携帯越しのレンの声がどんどん高くなって言っている。相当興奮しているようだ。
琥空は携帯を握る手を強めながら、冷静に言った。
「レン。ギンに変われ」
暫くした後、声の主が変わった。
『ギンです』
「ギン、新たな任務だ。コアをレンに持たせレンには帰還を伝えとけ。
お前は近くにいる封魔士二人を今から言う場所まで運んでくれ」
『・・・あんたはやっぱりこの二人には甘いんだな』
ギンの言葉に取りあえず了承は得たと感じる琥空。
「そうでもないさ。それじゃあ場所を伝えるぞ。場所は・・・・」
——————————トルニス——————————
「・・・・・ここは」
刹那が目を覚ますとそこはトルニスの医務室だった。少し記憶が戻らなかったが、
一瞬で今まであった出来事を思い出す。
「・・・・・つっ!!!」
思わず起き上がってしまい、その反動で全身に痛みが走る。そしてまた倒れ込むようにベットに寝そべる。
暫くぽうっとした後、刹那は微笑を漏らしながら言った。
「そうか・・・私は任務を失敗してしまったのか・・・・」
本当に自分が情けなくて仕様がなかった。統帥が太鼓判を捺してつかせてくれた任務を失敗してしまった。
「あまり深く考えないようにね」
「・・・!!衣吹、何時の間に?」
いつの間にかすぐ傍にいた衣吹に驚く刹那。と同時に自分がさらに情けなくなった。
人の気配も感じられないほど私は弱いのか、と。
「私は正直あなたたちにはまだコアの奪取は無理と思っていたわ。あなたたちの実力はまだ
天の5段階程度。全く何を考えてるのかしらね、統帥は」
「・・・それでも統帥は私たちなら行けると言って下さった。私はそれを見事に裏切ってしまった」
歯を食いしばりながら言う刹那。衣吹はため息を一つ吐くと。
「貴方達をこのトルニスの近くで発見した時にね、統帥に二人の事を話したんだけど、
第一声が何だったと思う?『二人は無事ですか?』よ。
コアの奪取よりも二人の命が大事って感じの言い方でね。分かる?
統帥にとっての一番の裏切りはあなたたちが死ぬこと。そう言う意味じゃ、
あなたたちは何も統帥を裏切ってはいないのよ」
笑顔で語る衣吹。少し心が楽になった気はするが、やっぱり何か心に引っかかっていた。
「取りあえず今は休んでおきなさい。これから何をするにしても、まずはその傷を治すことが第一でしょ?」
「ああ、ありがとう」
「どういたしまして」
そう言って立ち去ろうとする衣吹。と、それを刹那が止めた。
「ちょっと待て」
「何かしら?」
「さっきこの近くで発見したって言ったな?どういうことだ。
私たちは森の中で倒れたままのはずだったが?」
そう。レンとギンとの戦いに敗れそのまま気を失った。
それなのにこのトルニスの近くで発見出来たと言うの可笑しいはずだ。誰かが運んでくれたのか?でも、一体だれが?
そんな疑問が頭の中をグルグルしていると衣吹が言った。
「おそらくだけど、琥空君の部下だと思うわ。あなたたちを発見する直前、すぐ傍で
アマガミらしき気配を感じ取ったから」
「・・・そうか」
刹那がそれ以上何も聞いてこない事を確認すると、衣吹は部屋から出て行った。
「・・・何を考えているんだ琥空の奴は?」
自分の部下で私たちを戦わせておきながら、助けたりもする。昔から何を考えているか分からない奴だったが
今は本当に何を考えているのか分からない。
「・・・ふ〜〜、いかんな。少々寝て、頭を冷やすか」
刹那はそう言って再び眠り就いた。この時にはすでに、運命の歯車が狂い始めている事に
気付いているのは一体何人いるのだろう。
——————————常夜の空間——————————
真っ暗な空間。一寸先も見えない空間にどこからか伸びる鎖に繋がれた何か。
「あと・・・二つか。そすれば我は・・・・。くくっ、精々精進しろ?愚かな封魔士共め」