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Re: 彼と私と弟 ( No.16 )
日時: 2010/03/25 13:41
名前: 実姫 (ID: MQ1NqBYl)

第8話
—二人の彼氏—

またやってきた木曜日。
神様って意地悪。こんなに気分の悪い木曜日は無いわ。

大樹と付き合い始めてから優平と一緒に帰っていない。
合唱で話をしたいけれど・・・


「実咲!」
後ろから聞こえたのは大樹の声。
楽屋口でおたおたしていた私を見つけて駐車場から走ってきたらしい。
「大樹・・・。フフッ。可愛い」
私に抱きつく大樹の頭を撫でながら私は後から来た優平を見た。

「またくっついてんのか大樹・・・。」
「五月蠅いなぁ。お兄ちゃんには関係ないでしょ!俺の彼女なんだから!!」
大樹は私に抱きついたまま優平に向かってそう言った。

「・・・。」
優平は「イラッ」と来たのか大樹の頭を叩いてさっさとホールの中へ入ってしまった。

「優平・・・・。」
私は大樹に聞こえないくらいの小さな声で名前を呟いた。

「早く中はいろ!」
大樹は私の手を「グイッ」と引いて中へ入った。

もう一人の彼・・・
大樹は可愛いな・・・

でも優平のほうがいいな。
優しくてちゃんと話聞いてくれて・・・
何より辛い時はちゃんと傍にいてくれる。

彼氏が二人・・・
形だけ恋愛・・・
本物の愛・・・

私はどちらを選べば・・・よいのでしょうか・・・。