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Re: 彼と私と弟 ( No.18 )
日時: 2010/03/25 19:13
名前: 実姫 (ID: MQ1NqBYl)

第9話
—学校—

「はぁぁ・・・」
私の唯一安心できる場所。
学校だ。
今はやっとすべての授業が終わり部活中。
と言っても何もやらずにみんなでグダグダするだけだが・・・。

「実咲・・・。」
優平が私の前に来た。そして、
「帰りさ、校舎裏来て。」
と言って去って行った。
(何する気よ・・・また・・。)

   ☆★☆
部活が終わり帰り・・・
私は言われた通り校舎裏へ行った。

ガバッッッッ!!!
「っ・・・・!!!」
イキナリ後ろから抱きつかれた。
「な・・・何っ?」
「俺・・・。」
抱きついてきたのは優平だった。
少し力が籠っている。
「優平・・・?」
私は優平を呼んでみた
「実咲・・・ヤバいわ俺・・・。」
「えっ?」
「大樹にあげなければよかった・・・。」
「ちょっと・・・優平!?キャ!」
私の世界は一瞬にして変わった。
背中に触れるは冷たいコンクリート。
顔に上にあるのは優平の顔。
体の上には優平。
そう・・・完璧に押し倒された。

「優平・・・?ねぇ・・・。」
「悪い・・・。」
優平は小さくそう呟くと、私を抱きしめた。
(どうしたの?)
そう聞きたかった。でも言えない・・・。
「大樹にあげなければよかったって?」
私がそう聞くと、
「そのままだよ。実咲のこと大事だったのに・・・なんであいつにあげちゃったんだろう。」
「そんな・・・こと・・・。」
「そんな事じゃねぇよ・・・俺に一番大切なものだったのにあのバカに捕られるなんて・・・。」
”ギュ・・・”
優平の手にますます力がこもった。

「い・・・たい・・・。」
私は思わずそう言ってしまった。
体が痛かったから。
「ごめん。」
優平はそう言ってすぐに放してくれた。
「帰ろうか・・・。」
優平はそう言って私に手を差し伸べてくれた。
「うん・・・。」
私はその手を取って、家へと一緒に帰った。

ねぇ優平。
この短い時間の中で優平の気持ち・・・
少しわかった気がするよ。
でも優平が何を考えてるかは分からないよ。

何で大樹と付き合わせたの?
そんなに後悔するならなんで・・・どうして?
そこが知りたいんだよ・・・。