コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼と私と弟(よかったらコメント欲しいです。 ( No.32 )
- 日時: 2010/04/03 19:56
- 名前: 実姫 (ID: MQ1NqBYl)
第18話
—さよならの時—
「今日で留学することになりました。今まで本当にありがとう。」
私は学校のクラスメートに別れを言っていた。
放課後には先生と部活の人に・・・か。
優平にもばれちゃうや・・・。
「忘れないでよ!20歳に遊びに行くから!」
「住所、手紙で教えなさいよ!」
みんなは優しくでも決心が鈍らないようにすっきりと別れさせてくれた。
「ありがとう。」
私は自分のカメラでみんなと写真を撮った。
放課後・・・
「先生方には本当にご迷惑おかけしました。今までお世話になりました。」
私は深くお辞儀をすると部室へ顧問の先生と共に向かった。
「えーと、今日で実咲は部活をやめる。」
顧問がそう言った時、
「何でですか?」
「こいつどうかしたんすか?」
という先輩の声が聞こえてきた。
「実咲から説明してもらう。」
そう言って顧問は先輩たちの裏についた。
私の前には優平がいた。
すごく怒っているような顔をしていた。
「今日で部活をやめます。理由は・・・。」
私はそこで言えなくなってしまった。
「早く言えよ。」
優平の低くて怒った声がした。
「理由は・・・留学です。イタリアで5年間過ごします。向こうの専門学校で本格的に学んできます。今年1年勉強したら向こうの国立劇場でコンサートをして世界を回る予定です。」
私が言い終わると
「何だよ・・・そう言う事かよ・・・」
という優平の声が聞こえた。
「いつ日本に来るの?」
先輩の1人がそう言った。
「たぶん来年の6月ぐらいだと思います。たまにここにも顔出そうと思いますし。」
「コンサートがひと段落したらだろ!」
先輩は「ガハハッ」っと豪快に笑うと私の肩を叩いて
「頑張れよ。」
と言ってくれた。
優平は・・・
ずっと目をそらして怒っていた。
言わなかった私が悪いんだ・・・。
私は先輩たちにお礼を言うと教室を出た。
少し自分の教室でいたかった。
最後の時はもうすぐだ・・・。