コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼と私と弟(よかったらコメント欲しいです。 ( No.33 )
- 日時: 2010/04/04 11:44
- 名前: 実姫 (ID: MQ1NqBYl)
第19話
—別れと出会い—
トントン・・・
私が1人教室に要ると誰かがドアをノックした。
「はい?誰・・・?」
私が返事をすると、
「お前・・・。」
優平が話しながら歩いてきた。
「何で言わなかった?留学する事・・・。俺何も知らずにお前と別れたんだぞ!あれからどんだけ俺が考えたと思ってんだよ。」
優平はうっすらと目に涙が浮かんでいるようだった。
「ごめん・・・。」
私は謝る事しかできなかった。
「大樹、泣いてたぞ。『実咲が遠くに行くなんて嫌だ』ってずっと家で泣いてたんだぞ!」
私はその一言に驚いた。
泣いていたなんて・・・知らなかった。
「なぁ、俺達やり直せないのか?遠距離じゃ駄目なのか?」
優平は私の肩をつかんで言った。
「分かんないの・・・もしかしたら向こうで婚約するかもしれないから・・・。」
私は目をそらしてそう言った。
「だったら先に俺と婚約しておけばいいだろ!!」
優平は目をそらしていた私の目をしっかりと見てそう言った。
(そうだ・・・先に婚約してしまえばよかったんだ、何で気がつかなかったんだろう。)
「そうだよね・・・やり直せるよね・・・。ホントにごめんね。」
私がそう言った時目から涙があふれていた。
「泣くぐらいなら別れなんか言うなよ・・・。」
優平はそう言って私の事を抱きしめた。
私の肩にじんわりと何かがしみた。
「泣いてるの・・・?」
私は優平に思わず問いかけた。
「・・・。そんなことねぇ。」
優平は強がっているらしく、泣いているとは言わなかった。
でも、肩に広がる涙は止まる事は無かった。
「ごめんね。ありがとう。」
私はそう言って出会った時の事を思い出した。
「俺こそ・・・ごめん。イタリア、行って来い。」
そう言って優平は私の背中を押した。
「空港まで明日、ついてきなさいよね!」
私はそう強く言って教室を出た。
もう一回やり直すんだ。
出会ったあの日に戻って・・・