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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 彼と私と弟(よかったらコメント欲しいです。 ( No.34 )
- 日時: 2010/04/06 18:58
- 名前: 実姫 (ID: MQ1NqBYl)
第20話
—出発前—
とうとうこの日が来てしまった。
でも後悔も何もない。
後は向こうで勉強して帰ってくるだけ。
「実咲!」
遠くから手を振ってやって来るのは優平だった。
「優平!来てくれたんだね!」
私は向かってくる優平に歩み寄った。
「当たり前だろ。余計なのもいるけど・・・」
「えっ・・・?」
私はびっくりしながら優平の後ろから走って来る子を見た。
「実咲!!」
それは大樹だった。
「大樹!ごめんね。こんなことになるの言わなくて・・・。」
私はいつものように抱きついてきた大樹を抱きしめてそう言った。
「うぅん。俺の事心配してくれたんだよね!俺が悲しまないように・・・。」
大樹は私の体に顔をうずめながらそう言った。
「大樹、そろそろ離れてくれよ」
優平の低くて怒った声が大樹の頭に降りかかった。
「えぇー嫌だ—」
大樹は私にしがみついてそう言った。
「殺していい?コイツ殺していい?」
優平は大樹の頭をつかみながらそう私に聞いてきた。
「それは駄目・・かな?」
私がそう答えると、
「じゃあ、引き離すか」
と言って、大樹を私から引き離した。
「そろそろ時間・・・か。」
時計は10時になっていた。
あと30分しかいられないのか・・・。
私はあと少しの時間を笑顔で過ごそうと心に決めた。
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