コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 彼と私と弟(よかったらコメント欲しいです。 ( No.35 )
日時: 2010/04/06 19:13
名前: 実姫 (ID: MQ1NqBYl)

第21話
—旅立ち—

とうとう日本を発つ。
向こうでの生活はきっと楽ではないだろう。

でも、日本で待っていてくれる優平や大樹がいるから頑張ろうと思う。

「会いに行くからな。」
優平はそう言って私の手から勝手に携帯をとった。
「何すんの!?」
私は優平の事を叩いて携帯を奪おうとしたが無理だった。
身長20センチ差・・・こういうときに小さいって悲しい・・・

「メアド入れてやるから。」
私の携帯をカタカタといじったと思ったら、自分の携帯に近づけて何かを送信した。

「本当にメアドだけ入れた?」
私は不安になって、聞いてみた。

「うん♪」
優平は笑顔でそう答えた。

怪しい・・・完璧にこれはなんかしでかした・・・。

「何やったの!?」
私が大声でそう言うと
「はいはい。俺のお気に入りの曲と、写真だよ。怒んな怒んな。」
優平はそう言うと私の携帯を返してくれた。
「メールと電話、めっちゃするかんな!」
「時差考えなさいよね。」
私はにこにこしながら携帯を出してくる優平の頭を背伸びして「コツンっ」っと突っついてやった。

「分かってるよ。たぶん♪」
優平はそう言うと私の事を思いっきり抱きしめてきた。

「優平・・・ダイスキ。」

「俺も実咲の事・・・・・」
優平は大樹がいるから大きな声は出さなかったが私の耳にははっきりその囁きが聞こえた。

「行かなくちゃ!電話、向こうに着いたらするね。きっとこっちは夜中かもしれないけど・・・。」

「別にいいよ。待ってる。」
優平は笑顔でそう言ってくれた。

「「いってらっしゃい!」」
二人は笑顔でそう言って手を振ってくれた。
私は涙目になりながらも、

「二人ともありがとう。ダイスキ!」
と言って、飛行機に向かった。

       
                  完

  次回からイタリア編。