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イタリア編

第Ⅰ話
—イタリア行き—

懐かしい夢を見た。
それは今から4年も前の事。
私が合唱団に入って2年目。
確か・・・ソプラノからアルトへ行った時の事だ。
優平の横で必死に歌っている私。
横には他の女の子もいたりして、でもみんな上手くて、私はついていけなかった。

「大丈夫？」
そう言ってくれたのが優平だった。
優しく声をかけてくれて・・・
私は彼氏がいたのに、優平に心惹かれてしまったんだ。


懐かしいな・・・。
久しぶりに見たな昔の夢・・・

でも一番今鮮明に残っているのは優平に言われたさっきの一言、

「俺も実咲の事愛してる。」
という一言。

大樹には聞こえなかったらしいが、私の耳元で言われたから・・・。

「大丈夫ですか？顔色が悪いですよ？」
隣にいた外国人の男が聞いてきた。

「大丈夫よ。」
私はそう答えた。
綺麗な上流階級の英語を話していたから、イギリスの紳士だろう。
寝ていてから起きて急に真っ青になったらしい私の顔を覗いて声をかけたらしい。

日本は今頃何時だろう・・・。

私はまた深い眠りについた。

イタリアに早く着きたい。