コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:  ・Cherry・ —恋する理由— ( No.300 )
日時: 2010/04/04 13:04
名前: 香織 ◆love33RPPg (ID: OS.29i1w)
参照: http://happy.ap.teacup.com/baira612/

第19話


「えっと……チョコ味2つと、バナナ味とバニラと抹茶と苺味1つずつ」
「はぁい……700円になります」


な、700円……!! 高っ!
そんなに持ってないし。
私は、財布を確認した。
……300円しか……ない。


「あのぉ」
私は、恐る恐る店員に話しかけた。
店員は、40代くらいの怖いおじさん。

「なんだね」
「……700円ありません」

そういうと、店員の顔つきが変わった。

「えぇ、でももう作ってしまったよ」
「はぁそうですか、どうしましょ」

いらないっていったら、あれだしなぁ……。
私は考えていると、店員が口を開いた。




「よしっ! これは食べてよし、そのかわり……
倉庫の中掃除しておくれ」
「はぃ?」


客に掃除させるやつがあるかぁああっ!!
私は心の中でそう呟いた。

「1人じゃなくていいから、早く」
「あ、はい」


私はなんとか6つぶんのアイスをもって
みんなのところへいった。
孝文が真っ先に、チョコ味のアイスをぶんどった。

「おぉないす、香織」
「ないすじゃないしっ! お金足りないし!」
「……じゃあなんで買ったんだよ」



私は、みんなにさっきのことを話した。
そして誰が一緒に掃除するかとなった。


「なぁ優志」

龍夜が、優志の肩をつついた。
優志は嫌な顔をして、私のほうを向く。

「えぇー……絶対嫌」
「いってこいよ、お前邪魔だし」


孝文は、優志に毒舌発言をして
手を振り払った。……なんてこといいますかね、この子。


「はいはい、いくよ、いけばいいんだろ」
「うぇーいっ!」


わぉ、なんだかんだで良展開!!
ありがとう、神様〜。

**


「んで、ここをやれと……?」
「みたいだね」


倉庫は、何年も掃除してないような汚いところ。
奥に5つの箒と、1つのちりとりがおいてあり
ホースやらバケツやら、色んなものが散らばっている。


「うあーロマンチックじゃないーこんなんじゃないーこんなはずじゃないー」

私は小さくボソッと呟いた。

「なんかいったか?」
「あ、べっつにぃ〜? それより早くしよう」


私は箒をてにとると、片っ端から掃除した。
さっさと終わらせないと、アイスがああああ!!

**


1時間後——……。

「……なかなか綺麗にならんね」
私は、息をきらせながら優志に語りかけた。
優志は疲れてるのか、無言。
……ってか、なにやってんの私。
えっと……あ、そうそうおじさんから
頼まれたんだ、思い出した。


「もう終わりにしようぜ」
「え〜……やだぁ、なんか汚い」

そのときだった。おじさんの声がした。

「あれ、ここ鍵開いてる?」

いや、そりゃあいてるでしょ、私達いるもん。


私が「終わっていいですか?」と
声をだそうとしたときであった……。

“ガチャン”


そんな金属音が、響いた。



「……今、なんかガチャンとかいわなかった?」

私は、優志に尋ねた。
優志は、念のためドアノブをひねった。
……だが、びくともしない。


「……鍵……閉められた」
「は?」

鍵閉められたとか聞こえたけど、嘘だよね?
私はもう一度尋ねた。

「だから、閉められた。出れない、どうしよう」
「くぁwせdrftgyふじこlp;@:」


私は知らぬ間に、叫んでいた。
そして複雑な気分になった。


優志と2人っきりで嬉しいけど……。
閉じ込められたって帰れないじゃんっ!!
あのおじさん、私達のこと忘れてるじゃんっ!!
あのおっさん……おっさああああん。


私は、掃除道具を直して座り込み
ため息をついた。


「このまま、ずっとこうなのかなぁ?」