コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ・Cherry・ —恋する理由— ( No.386 )
- 日時: 2010/04/13 21:18
- 名前: 香織 ◆love33RPPg (ID: NOphWmYz)
- 参照: http://happy.ap.teacup.com/baira612/
第26話
「はいちーず」
私達は、みんなで笑顔でプリクラをとった。
もちろん、美里奈と森野は並んで
ラブラブで。
落書きをして、プリントされたプリクラは
皆で切り取ってわけあった。
「私これ、携帯にはろうかな」
絵磨は、自分の携帯をみつめてそういう。
「おいお前ら! 今から5時までなんか遊ぼうぜ」
森野がそういうと、怜緒がブーイングした。
「えー5時までしか遊べないのかよ」
「ちげぇよ」
そういった瞬間、森野の頬が赤くなった。
「5時になったら、別行動♪……な?」
「は?」
私達は声が重なった。そこで美里奈が口を出す。
「え〜それじゃあ、2人組にわかれるってことぉ?」
「そういうことだ」
ええええええええええ!?
なんてこといいますかね、森野!
2人っきりとか、そういうの無理だし!!
**
ってかいってる間に5時に……。
あははははは、ははははははははは。
もういいんだ、はははははははは。
「じゃな、お前ら」
森野は、美里奈とならんでそういった。
そして2人は、街中へと消えていった。
……私たち4人は、2人のラブラブっぷりに
ただただ唖然とするばかりであった。
「おい絵磨、いこうぜ」
怜緒が真っ赤になりながらそういう。
絵磨も同じく真っ赤になって、頷いた。
そして、街中へと消えていった。
「……あへ」
私は、2人っきりになって緊張したあげく変な声が出た。
なにがしたいんだ、私は。
「……行くぞ」
「はい」
優志にそういわれて、私は慌てた。
なんかさ、微妙な距離があるしっ!!
しかも、半歩ずれてるしっ!!
え? 明治時代か!!
女は男より、早く歩いてはいけないとかいう
そういう風習を身に着けている人が
まだこの世の中にいるのか!!
「ねえ、優志」
私は思い切って、話しかけてみた。
優志は相変わらず不機嫌な顔をしている。
私といるのが、そんなにいや……?
「あのさ、優志さ、好きな食べ物とかある?」
迷った挙句、こんな質問になってしまった。
なんで好きな食べ物なんだよ!!
他にもっとあっただろ、ねえ?
でも優志は、ちゃんと答えてくれた。
「……刺身」
「へえ」
刺身って……ちょ。
……なんかこれ以上、話が進まんぞ。
そうだ、私の好みも話すか。
「私ね、苺とかチョコとかケーキとか大好き!
あ、それたんなるおやつだね〜」
「うん」
おおおお、曖昧な返事しかしてくれねえ。
なんなんだいったい。
そのまま、数分間沈黙が続いた。
「……なあ」
その重い雰囲気を、壊してくれたのは優志。
私はいきなり話しかけられたので、びくっと反応。
「え、なに!?」
「あのさ……ここで座ろうか」
そういう優志の視線の先には、ベンチがあった。
私は軽くうなずくと、そのままそこに座った。
……街を歩く人を観察する。
幸せそうに歩く、若いカップル。
楽しそうに歩く、家族連れ。
嬉しそうに歩く、友達同士の人たち。
皆、何を考えているの?
この人たちは昨日まで、何してたの?
友達に裏切られたとか
テストの点数が悪かったとか
上司に怒られたとか
仕事でミスをしたとか
上司に褒められたとか
学校で新しい友達ができたとか
勉強をしてそのまま寝てしまったとか。
色々……あるんだろうな。
その中でみんな、一生懸命生きてるんだね。
「おい、香織みろよ」
優志が、遠く離れたツリーを指差した。
「わぁっ」
そのツリーは、色とりどりのイルミネーションで
飾られており、非常に綺麗だった。
まるで、夜空に輝く無数の星のように。
宝石箱のように。
花嫁のドレスのように。
「すごいね……」
私はその瞬間、顔が一気に真っ赤になった。