コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ・Cherry・ —恋する理由— ( No.407 )
- 日時: 2010/04/14 21:44
- 名前: 香織 ◆love33RPPg (ID: NOphWmYz)
- 参照: http://happy.ap.teacup.com/baira612/
第27話
それも30分近くたったころだった。
優志は突然立ち上がって、どこかへ行ってしまった。
どこへ行くの……?
私は少し不安げな気持ちになると、優志が帰ってきた。
「どこいってたの?」
「ジュース買いにいってた」
そういって優志は、冷たいコーラを渡してくれた。
冬場にアイスドリンクなんて……。
でも、何故か暖かかった。
「ありがと」
「……いや」
私は少し照れると、また顔を赤くした。
無言が続く中、コーラを飲む私。
突然、優志が口を開いた。
「なあ、香織……香織の好きな人俺知ってる」
「……は?」
も、もしかして!?
私が好きなこと、バレちゃった!?
……いやバレちゃうよね。
っていうか、今日告白するつもりだったし
いずれバレるんだけど。
「だ、誰よ」
私は曖昧な返事で返した。
「えっと……」
えっと? その続きは何!?
「井上正輝だろ」
井上正輝……。井上正輝……?
えっ!? 井上君? なんで、どうして?
私は目が点になった。なんで?
「は?」
私は、今度は目を見開いた。本当に意味分からない。
優志は少しニヤッとして、ため息をついた。
「素直になれ、好きなんだろ?」
「ちょっとまってよ、なんでしってんの?」
なんでしってんのなんて、まるで私が
本当に好きみたいじゃんっ!!
そりゃ、気になってるよ?
でも好きじゃないもん、あいつに彼女できたら
きっぱり諦めれるくらいだもん。
「だってさ、一橋に聞いたから」
一橋といえば、私の学年では友里香しかいない。
そして、私が井上君が気になってるというのも
絵磨、萌、友里香、亜由奈しかしらない。
なんで? なんでバラすの?
優志を好きなのを知ってるはずなのに、酷いよ。
「へぇ……でも違うよ?」
「違うのか」
“本当に好きなのは、優志だよ”そういいたかった。
……ほら、今ならいいだせる!!
頑張れ、私!!
「……っ」
「どうした?」
優志は、きょとんとした顔で覗いてくる。
「……ごめん、私帰る」
「おう」
私はその場を一目散で離れた。
「うっ」
悲しかった、つらかった。
あんなこというなんて。
絶対、優志の眼中に私なんていない。
私はいつでも優志のこと、考えてるのに
優志は私なんか、好きでもなんでもないんだ。
そうおもうと、涙があふれてきた。
そのときだった。
「あれ、香織じゃんっ!?」
この声は、どこかで聴き覚えがあった。
明るくてきゃぴきゃぴした声……絵里那だ。
私はびっくりして、急いで涙をふいた。
「何? クリスマスなのに1人? さみしくない?」
絵里那はあざ笑うように、そういう。
「そういう絵里那だって、1人じゃん」
「まあね」
絵里那は少し悲しそうに笑うと、話をした。
「……今日、彼氏にフラれたんだ。
クリスマスなのにだよ? 笑えるでしょー。
その理由が『飽きたから』だってさ。
元々遊びだったらしいけど、私にとって
今回は結構本気だったんだよねえ」
絵里那は、他校の不良生徒と付き合っているという
噂がながれていた。遊んでいるとも聞いた。
でも、遊びじゃなかったんだ。
ちゃんと、本気だったんだ。
悲しそうな絵里那をみて、少し同情した。
「へぇ……」
「まぁそういうわけでさー買い物にきたんだよ」
絵里那は、彼氏の愚痴をたくさんいってきた。
**
「ねえ、もう帰るの?」
絵里那の家の近くまできたとき
私にふと、絵里那はそう呟いた。
私は時計で時間を確認する。
6時。
まだいける時間かな……?
7時ごろに帰るっていってあるし。
「う〜んどうしようかな」
「……私の家おいでよ、どうせ誰もいないし」
「いいの!?」
「うん」
絵里那の家……ちょっと緊張するなあ。
「おじゃましまーす」
私は、玄関を見た。
……確かに靴は、1つもない。
私は絵里那に誘われて、絵里那の部屋へ向かった。
「よし、独り身同士でクリパすっぞー」
「え、あ、うん」
それから、ケーキを食べながら
絵里那とたくさんおしゃべりをした。
普段学校ではあまり話さないけど
話したら、結構楽しいことがわかった。
「もうやだぁ。うちらのクラス、カップル多くない」
絵里那はため息まじりに、そういう。
「絵磨と怜緒でしょー
萌と真人でしょー
愛可ときーちゃんでしょー
美里奈と森野でしょー」
4組とも、皆仲の良いカップルだ。
そんなこんなで、話はつづいていった。
「ねえ、時間大丈夫?」
絵里那の一言で、私は時計を見た。
もう7時になってる……!
「やば、帰らなきゃ、じゃねっ!」
「うんばいばい!」
こうして私のクリスマスは終わってしまった。