コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:  ・Cherry・ —恋する理由— ( No.434 )
日時: 2010/04/16 17:47
名前: 香織 ◆love33RPPg (ID: NOphWmYz)
参照: http://happy.ap.teacup.com/baira612/

第29話


2月12日。今日は金曜日だから
渡すといえば、今日がチャンス!?
……といっても、家をしっているので
日曜日に渡すと決めていた。


「森野ぉぉおおおお〜っ」


休み時間、教室中に響き渡る声。
このぶりっこでキモい声は、美里奈だ。
クラス中の人が、顔をしかめて美里奈をみた。


「これぇ、チョコだよっ! 愛をこめて作ったよ」
「……ま、まじか? 嬉しいぜっ」

そういって森野は顔を真っ赤にさせた。
周りの人たちが冷やかす。
そのとき、絵磨が隣で呟いた。

「美里奈の声五月蠅いね」
「うん、五月蠅い」


絵磨はそれだけいうと、鞄を探りはじめた。

「もしかして、作ったの!?」
「うん、渡すつもり、でも今はちょっと……」

絵磨は怜緒をみつめながらそういった。


いいなあ、皆。
それぞれの恋があって。
なんか青春してるー!

そのまま、その言葉を絵磨に伝えた。

「なにババくさいこといってんの、あんたもでしょ」

絵磨は私に笑いかけてきた。




……どうして、私はいつも上手くいかないんだろ。
どうして何もかもが、失敗に終わるんだろう。
自分が嫌になった。
こんな自分が嫌だ。


「おい、バ香織〜っ!」

教室の隅から、駆けてきたのは森野。
森野は多少息を切らして、興奮気味だ。
美里奈からもらえたのが
嬉しくて仕方がなかったらしい。

「あ、あのさ、告るとき俺もいていい?」
「……え?」

なんで?
それだけしか脳内になかった。


「俺さーお前が本当に告るか、みてえ」
「はぁ意味わかんない、無理!!」

私はそういうと、自分の席に戻ろうとした。
しかし、森野は強引に私の腕を引っ張る。

「俺だって優志の家しってるもんねー!
お前の家もしってるぜ。優志の家の
三軒隣だろ?」


森野は、にやにや笑いながらそういった。
なにこいつ、気持ち悪い!!

「……っそんなに私が信用できない?」
「だってお前、俺のこと裏切るもん。
今回で最後だぞ、な?
俺がこんなにいってやってんのに」

なにさ、自分で勝手にやってるだけじゃん。



「とりあえず、17時ごろだ。優志の家の前な」


森野がそういったと同時に、チャイムが鳴った。