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Re:  ・Cherry・ —恋する理由— ( No.589 )
日時: 2010/04/22 18:10
名前: 香織 ◆H9YqiiQtJw (ID: NOphWmYz)
参照: http://happy.ap.teacup.com/baira612/

第40話



 その女子は、よくみると、絵里那だった。
 みんなの視線は、5組の絵里那のほうに注がれる。
 絵里那は、先生が「どうぞ」という前に
 口を開いて話していた。


 ——絵里那回想。




 「あ〜、もうだるっ」



 先公から説教食らって、時間が経ってしまった。
 理由は、1年生をちょっと虐めたから。
 だってさ、1年生って生意気なんだもん。
 先輩に敬語くらい使えっつうの。
 それで、友達と約束があったのにドタキャンするために
 携帯で連絡したら、またそれで怒られてさ。
 まじ意味わかんね、あーもう日暮れかけてるし。


 絵里那は不快な気持ちで、靴箱のほうにむかった。
 すると……4組の靴箱に、人影を発見した。
 絵里那は、恐る恐る近づいてみた。


 制服を着た1年生と、ランドセルを背負っている小学生。
 何かこそこそやってる……?
 とりあえず、近づいて見ることにした。


 「ねえ、お前らそこで何やってんの」
 「……はゎっ!」


 数人の奴らは、驚いた表情で絵里那をみると
 逃げるようにして走っていった。
 ……夕日で、よく顔がみえなかったんだけど。
 絵里那は気を取り直して、靴をはきかえると
 鞄をもって、廊下を歩いていた。



 「……これでいいよね」



 どこからか声がする。2組のほうだ。
 絵里那は、そっと2組を覗いてみた。
 すると、さっきの集団が絵里那をみて
 また逃げるようにして、走っていった。


 「またあの女だー逃げろっ!」
 「はぁ?」


 あの女ってなんだよ、ムカつく。


 ——絵里那回想終わり。



 「……というわけなんですけど」
 「なるほど、わかりました、座ってください」


 絵里那が座ると同時に、ざわざわした声が聞こえた。
 




 犯人は、同じ学年ではないらしい。