コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:  ・Cherry・ —恋する理由— ( No.699 )
日時: 2010/04/26 21:57
名前: 香織 ◆H9YqiiQtJw (ID: NOphWmYz)
参照: http://happy.ap.teacup.com/baira612/

第48話




 「え……え? ちょ、意味不」


 私はまだ、ふざけ半分だった。
 けど、孝文の瞳はすごく真剣で……。
 ちょっと、ドキッとした。


 「……まあ、お前が優志好きなのはわかってる。けど、俺はお前が好きだから……じゃな」


 そういって、孝文はくるりと後ろを向いた。




 「ま、まって!」



 気付いたら、私は孝文を呼び止めていた。




 「何?」
 「あ、あのさ……


    返事、NO……じゃないよ?」

 「えっ!?」


 あ、自分でなにいってんの私。
 私が好きなのは、優志。
 優志。
 優志……なのにね?


 「……えと、まだ待ってもらえる?」
 「全然いいけど、じゃな」




 孝文は、なんだかぶっきらぼう。
 でもまあ……そういうところが……

    すk……。



      なにが「好き」だよ!!

 好き……じゃないはずだよ?




 家に帰って、萌と絵磨にメールすることにした。



 「 なんか、孝文に告られた(^^;)
 断ろうと思うんだけど
 なんか断れないんだよね 」



 絵磨と萌からは、すぐに返信がきた。




 「 断れないんなら、付き合えば? 」


 「 きゃー(0Д0) まじかっ!!
 付き合え、付き合え、迷うなら付き合え! 」





 ……やっぱ、付き合った方がいい?
 でもそんないい加減な、きもちで
 付き合いたくなんか、ないよ……。


 それに、4年生からずっと好きな優志への想いはどうなるの?
 まだ返事は保留なんだよ……?
 ねえ、どうしたらいいの?
 私はどうしたらいいの?




 「……っ」





 私は、部屋の隅に視線を移した。
 無数の写真が、はられている。


 学校行事で撮った写真。
 個人で撮った写真。


 その何枚かには、孝文がいた。
 孝文はどれも笑顔で、なんかかっこいい。




 どきどきどき。
 なんだか、鼓動が速くなってく。
 え……?
 なんで、顔が赤いよ。





 孝文が、好きなのかもしれない。






  ——翌日。





 私は少し早めに家をでた。
 そして、全力で走った。



 「あ、いた!」



 孝文の姿を発見すると、すぐ傍まで走った。




 「孝文、おはよ」
 「……あ、あ、はよ」
 「……ねえ、昨日の返事だけどさ……」





 まだ、優志が好きだよ?
 大好きだよ?






 だけどね、しばらくこの想い、封じ込みます。






 「私、孝文と付き合う!」