コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:  ・Cherry・ —恋する理由— ( No.1001 )
日時: 2010/05/13 18:01
名前: 香織 ◆H9YqiiQtJw (ID: NOphWmYz)
参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/

第58話


 トイレで泣いていたら、絵磨と亜由奈がやってきて、声をかけてくれた。私の涙は、まだまだ流れてきて……——
 どうしよう、学校なんかでなくなんて、かっこ悪い……なんなんだもう、涙とまってよ!!
 

 「香織ー大丈夫?」


 絵磨と亜由奈は、そっと私の背中をさすってくれた。ありがとう、こんなに優しくしてくれるの、2人だけだよ……。
 私は更に涙がでてきた。なんでこんなにでるんだろう、このまま止まらないんじゃないの?
 


 「……よし」


 私はハンカチで涙をふくと、目をこすって鏡をみた。……酷く目が腫れている。……こんなんじゃ、教室戻れないなあ。
 私は水道で目をぬらした。……水がすっごくきもちよくて、すっきりした。


 そして、トイレからでたとき。



 「あ」


 2組の教室からでてきた優志と、ばったり目があった。私は思わず声をあげる。
 優志も「あ」と呟いた。……そのまま、沈黙が流れた。きまずっ!!


 「お前、目赤すぎ」


 優志はケラケラ笑い始めた。なっ……目が赤いってみられた!?
 私は、優志のところに近づいて、デコピンをした。パチンという、音が廊下に響く。……結構、デコピン自信あるんだよねー。


 「いってぇっ!」


 優志は自分の額を押さえて、叫んだ。それと同時に、私は逃げるようにして3組へ戻る。


 「ちょ香織、なにやってんの」
 「あんた……」


 絵磨と亜由奈は、呆れたように私をみた。「さっきの涙はどこへいった」といわんばかりに。
 私は口を両手で押さえる。……今思えば、さっきなんであんなことしたんだ……。
 えらいことしてもうたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!


 「あぁぁあどうしよう!!」
 「な、何が……ってかさっきの涙は?」


 亜由奈は私の顔を覗き、そういう。そういえば、もう私はさっきの傷はどこかへ消えていた。
 こんな風に、すぐに傷が消えるなんてね、なんだったんだろう、さっきの傷。


 「……もう平気だよ!!」
 「そっか、そりゃいいことだ」


 そういって、私達は笑いあった。廊下に響き渡るような、声で。皆が振り向くけど関係ない。笑ってやろう!!


 「うるせぇな!!」


 優志が、不機嫌な顔で2組から顔を出した。友達までつれてきたよ……。私は優志を睨む。


 「人が笑ってるのに何よ」
 「人のデコを傷つけるんじゃねえよ!!」


 優志は私にどんどん近づいてきた。……やーばい、これって手あげられるフラグっすか?
 私は思わず逃げようとしたが、手遅れ。額に衝撃がはしった。

 「いたっ!!」
 「ざまぁ、さっきの仕返しだよ〜ん」


 優志は悪魔のような笑みをうかべると、再び教室へ戻った。……何がしたい、あいつはっ!


 「も〜うムカつく……」
 「……か、香織、そろそろかえろ、もう皆ほぼ帰ってるし……」
 「だね、帰ろうよ!!」


 あ。
 私はふと、教室の時計をみた。4時。今日は学校は3時半に終わったのに……。
 というか、優志たちは何をやってるんだ? さっきから。
 私はきになって、少しだけ2組を覗いた。すると優志がやってきた。


 「運動会の打ち合わせ始めるから、あっちいけ」

 優志は、まるで煙でもはらうかのように、手をひらひらさせた。
 
 「……今までなにやってたの」
 「実行委員メンバーが全員揃わねぇから、お前の遊びに付き合っただけ」

 優志はぶっきらぼうにそういうと、教室のドアを閉めてしまった。何あいつっ!


 「もう帰ろうか」
 「うん」


 私はランドセルを背負って、亜由奈と絵磨と一緒に学校を出た。