コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Multiplex Cross Point オリキャラ募集中 ( No.116 )
- 日時: 2010/04/18 16:56
- 名前: インク切れボールペン (ID: xFQn5lM8)
「ぬおッ、と!!」
空中で器用に体を捻り、秋兎は地面に着地する。
それと同時だったろうか。
クロトが、その場で佇んでいた【荒廃せし失楽園】のメンバーに指示を出したのは。
「結月、探査結界を張れ!! 黒雅、紀和はカノンの護衛だ、気を付けろ、近くに魔術師がいるぞ!!」
「り、了解だよ、クロトくん!!」
「任せろ!!」
「面倒だからヤダな…。でも、やるしかないよね」
結月は魔術を詠唱し、クロトの指示通り探査魔術を発動する。
その間に、紀和は銀閃を何処からか取り出し、周囲を見据えた。
黒雅は普段通りの表情のまま、ポケットから鉛筆のような長さの先が鋭利な突起を持つ金属を取り出す。
それを素早く振ると、彼が得物とする金属の槍と化した。
「小娘、お前は俺が守る!!」
「守るよ、カノン」
「…ありがとう」
カノンは二人に御辞儀し、クロト達の後方に下がる。
一同に緊張と沈黙が走る中、最初に声を上げたのは結月だった。
「う、嘘…」
明らかな狼狽。
探査魔術で周囲に存在する魔術師であろう人間を捜した、結月。
どうした、とクロトが結月に問い掛けると同時、彼女が狼狽する事となった要因が出現する。
ズン!! という轟音を響かせ、十体以上の【泥人形】が現れたのだ。
その体躯は結月達がカノンを助ける際に戦った相手と同程度の大きさ。
そんなのが、十体以上も出現したのだから、結月が狼狽するのも無理は無い。
だが、正確に言えば、結月が狼狽した要因は【泥人形】達では無かった。
【泥人形】達を先導するように歩いてくる、1人の青年。
「…」
紺色の瞳に、黒混じりの青色のショートヘアー。
白いシャツの上から群青色の上着に、黒い長ズボンを履いた青年。
その両耳にはチェーンに繋がった翡翠色の石のイヤリングが付けられている。
一同は、青年を知っていた。
そして、その青年の名を最初に呟いたのは、青年の幼馴染みである、黒雅 誡。
「…唄」
その呟きを無視し、青年は【泥人形】達に命令を下す。
【荒廃せし失楽園】の一同を一瞥し、静かに、そして明確に。
「潰せ。1人残らず」