コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Multiplex Cross Point オリキャラ募集中 ( No.128 )
- 日時: 2010/05/04 10:10
- 名前: Faker (ID: x2W/Uq33)
この状況を前に、千堂 紀和は声を荒げた。
【泥人形】を率いる、【荒廃せし失楽園】の同僚で、【情報屋】の異名を持つ青年へと。
「錆螺 唄、お前は何で其処にいる!?」
「答える必要は無いですね」
紀和の言葉を一蹴し、錆螺 唄は天に片手を掲げると、指をパチンッと鳴らす。
その瞬間、ゴーレムの一体が鉄屑で形成される巨躯を動かし、一同に襲い掛かる。
だが、
「消えろ、屑」
冷徹な一言だけが、咄嗟に動こうとした一同の耳に響く。
その言葉を発したのは、メル・ヴァートン。
金色の髪を撫で上げ、彼女は軽い調子で地面を踏み付ける。
その瞬間、だった。
ゴーレム達の周囲の地面が莫大な光を発し、爆散する。
朦々と煙が立ち込める中、メルだけが気怠げに呟く。
「敵地に踏み込むなら罠を想定するべきね。…だから、アンタらはバカで屑で能無しなのよ」
「メ、メル…。地雷術式を発動させるなら言って下さいよ…。ば、爆音で耳が…」
「知るか。つーか、来るけど、アイツら」
は? と耳を抑えながらヴァンは黒色の煙が立ち込める前方を見た。
瞬間、煙を突き破り、十体以上のゴーレムが現れる。
所々が砕け、地雷術式によるダメージが見受けられるものの、行動に支障を与える程では無かったようだ。
「おー。お客さんが来やがった。何で唄の奴が向こうにいるかは知らんが、まずは【泥人形】を片付ますか」
「面倒な状況だゼ。まー、色々と気掛かりだが、今は戦う以外は無いのは確かだゼ」
「そうですね。行きましょうか」
「面倒過ぎ。…イライラするから情報屋も一緒に倒しても良いわよね?」
「…加減して上げなよ」
分かってるわよ、とメルが返答すると同時、残る三人は一気にゴーレム達の元に駆ける。
戦う為に、彼らは疾走する。
そんな中、置いて行かれたメルは。
「…………チッ」
舌打ちと共に、再び地面を軽い調子で踏み付ける。
瞬間。
ゴーレム達の立つ地面、率直に述べると、クロト達がゴーレムと戦う場所の地面が莫大な光を発した。
「ちょ、メル─────────ッ!?」
「マジですか─────────ッ!?」
「アボーン、だゼ─────────ッ!?」
直後。
地雷術式が発動し、クロト達もろともゴーレムを巻き込んで爆発が起きた。
それを見て、満足そうに黒い笑みを浮かべたメルは爆煙の立ち込める戦場に踏み込んで行く。
カノンを守る為に、その場に残った三人の魔術師は各々の言葉は違えど、思わず呟いた内容は一緒だった。
「メ、メルちゃん…。黒いよ」
「これが俗に言う、人間の黒い面か…」
「…黒」