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Re: Multiplex Cross Point オリキャラ募集中 ( No.149 )
日時: 2010/05/13 20:26
名前: Faker (ID: x2W/Uq33)

「敵が判明しました」

【楽園】の名を冠する廃ビルに帰り着いた錆螺 唄は、真っ先にそう言った。
その結果、【荒廃せし失楽園】では会議が行われる事となる。
【鉄の十字架】部隊の面々はカノンの回復に努め、残る者達は会議に参加した。
錆螺 唄は集まった面々を一瞥し、情報収集により得た【情報】を開示する。

「我々の敵は魔術組織。その名は、【灰燼の風】」

率直に、彼は敵の名称を告げた。
だが、錆螺 唄は組織の名は上げても、敵の詳細などは明かさない。
情報が足りないから、敵の詳細を明かさない訳では無かった。




何故なら、【荒廃せし失楽園】の面々は既に【灰燼の風】の事を嫌という程に知っているのだから。




「【Child Soldier】事件の首謀組織、か」

「…ええ。椛さん、我々の敵は、あの惨劇の首謀者共です」

凄惨な事件だった。
【荒廃せし失楽園】は数年前に【Child Soldier】事件の解決に一役を買った過去を持つ。
あの惨劇を引き起こした首謀者達を追い詰める所まで行ったのに、結局は取り逃がしてしまった。
その組織がカノンを追っている、という事は何か目的があるのは確かだ。
もしかすると、とメンバー達の脳裏を嫌な想像が過ぎる。

「現段階では彼らの目的は不明。…ですが、カノンさんが標的となっている以上、交戦は避けられないでしょう」

「別に、潰せば問題は無いんでしょ?」

「頼り甲斐のある台詞ですね、メルさん」

「ま、警戒は大事だけどさ。肩の力を抜いて戦うのが一番でしょ」

「全くだゼ。ガチガチに緊張して戦うより、リラックスして戦う方が良いゼ」

「…やはり、連中の狙いはカノンの【白色の闇】なんでしょうか」

ぽつり、とヴァンの呟いた言葉に、柚葉 椛、錆螺 唄は頷いた。
2人はカノンが意識を失う前に発動した、【白色の闇】を報告でしか聞いていない。
だが、現段階でカノンが【灰燼の風】に狙われる要因は、これしか思い当たらなかった。
とにかく、だ。
仮定の話をしても、今は何の意味を成さない。

「とりあえずは敵が明確となっただけでも結果は良好だ。我々は、近い内に【灰燼の風】と正面衝突する事になる」

因縁の相手。
凄惨な悲劇を引き起こした魔術組織との戦いの火蓋が切り落とされた瞬間だった。