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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Multiplex Cross Point オリキャラ募集中 ( No.190 )
- 日時: 2010/06/01 21:50
- 名前: Faker (ID: x2W/Uq33)
一撃で仕留める。
問題は無い。
月架 蒼天はナイフを袖に仕舞い込んで隠すと、自然な素振りでカノンの側に歩み寄った。
無垢な表情で、テーブルに並べられた料理を美味しそうに食べ続ける彼女を前に、月架は静かに呼吸を整える。
緊張を悟られない為に。
そして、この歓喜に満ち溢れる今の状況を、血が飛散する惨劇に変える為に。
彼は、袖にナイフを仕舞った腕を彼女に伸ばそうとする。
だが、ふと彼は腕を伸ばすのを忘れてしまった。
カノンの口元に、テーブルに乗ったスパゲティのソースが付いているのを見て。
何というか、微笑ましい光景だった。
だから、だろうか。
彼は自然と緊張を無くし、本当に自然に服のポケットからハンカチを取り出していた。
そして、彼は優しい手付きでカノンのソースが付いた口元を拭ってやっていたのだ。
その時、彼女は突然の事に驚いたが、月架の顔を見ると、ありがとう、と言った。
呟くような音量で告げられた言葉を、彼は確かに、その耳で聞いて、静かに笑みを零した。
「何か、カノンちゃんのお兄さんみたいだね、ソウくん」
「なッ…。バカ言うなよ、結月」
「照れてる」
「誰が照れるか!! 意味の分からない事を言うなよ、黒雅」
「おやおや。照れ隠しですか、ソウ」
「【情報屋】、お前までか!?」
「必死に否定する所が怪しいゼ」
「ですねー」
「…くだらない。つーか、まだ食ってるの、カノン」
一同の悪ノリの中、メルだけは料理を食べ続けるカノンを見て、溜息を吐いていた。
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