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計画は順調に進行中。
マミヤ・メグカは現状を頭の中で整理し、薄い笑みを浮かべた。
ゼロの術式。
その情報を椛に提示した上で、カノンの危険性を彼女に教えた。
多少ながら誇張した告げたカノンの危険性を、椛は重く受け止めただろう。
今頃は、何らかの手を打っている事は確実だ。
薄暗い地下室、アネモネの花に囲まれながら、彼女は薄く薄く笑う。

（ふふ。順調な結果ね。椛、貴方の選択を見せて貰うわ）

カノンが生きようが死のうが、マミヤにとっては些細な問題ではない。
己の計画の為に、利用できる材料は有効利用する、それだけだ。

（さて、それじゃあ次のフェイズに移行しようかしら）

一冊の古びたメモ帳を取り、彼女はメモ帳を開く。
それは普通のメモ帳では無い。
連絡用術式が施された魔術的な物品だ。
簡潔に言えば、無線のような物だろうか。
ブツンッ、とメモ帳のページから機械的な音が鳴り、男性特有の低い声が聞こえてくる。

「…何だ」

「ハロー。お元気かしら、セルゲイ？」

「…魔女か。何用だ、俺は忙しい」

「情報をあげるわ。…例の実験個体、カノンを捕らえる為の情報を」

その言葉にメモ帳から、裏切り者め、という男性の言葉が聞こえてくる。
男性の言葉に、マミヤは薄い笑みを崩さない。
それがどうした、と一蹴し、彼女は言う。

「聞く気はあるかしら。貴方にとっても有益な情報よ。──────────【灰燼の風】の総帥たる貴方にとっては、ね」