コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: Multiplex Cross Point オリキャラ募集中 ( No.232 )
日時: 2010/06/13 12:51
名前: Faker (ID: w79JdDm2)

兎葉市内の街。
結月 采音は、そんな中を歩きながら、隣を歩く派手な服装の青年をジッと見つめていた。
黄色の瞳と髪を持ち、派手な服を纏い、足腰の悪い老人のように木製の杖を着いて歩く青年。
通称、別任務の異名を持つ魔術師、黒島 聖。
組織内での身分は高く、危険な任務に単独で就く事を許された魔術師だ。
そんな彼も、クロトからの召集を受け、遅れながら合流した。
今回は危険な魔術組織の解体を終えて来たらしい。
彼の隣を歩く結月は感心した表情で、うんうんと頷いた。

「流石だよねー、聖君は」

「いや、そんな事は無いんだけどな。今回の敵だって30人〜40人程度の魔術師だったし」

それが流石なんだよ、と結月は感心したように言った。
確かに、彼女の反応は妥当だと言えるだろう。
魔術師は個人クラスで重火器並の力を持っている者が多い。
それが30人〜40人も集まりながら、1人でそれを掃討したいう事実から黒島の魔術師としての優れた手腕が見受けれる。
ふと、彼は空を仰ぎ見て、溜息を吐いた。

「うん? どうしたの、聖君?」

「いやー、休憩無しに譜条まで帰って来たからさ。…疲労が」

言われれば、彼の足付きは覚束無い。
何となく、酒に酔った中年男性が無理に足を引き摺って歩いているようにも見える。
任務の終了後、休憩する間も無くクロトの召集を受け、譜条に猛ダッシュで帰って来た為か。

「大丈夫? 良かったら私が背に負ぶさって歩こうか?」

「…、女性をおんぶするのは良いんだが、逆は勘弁」

率直な言葉を返し、彼はふらふらと歩き続ける。
と、そんな時。

「どうしたの聖、元気が無いぞー」

少女の声が黒島 聖の後から聞こえたと思った、その矢先。
バッチーン!!、と黒島は背中に平手打ちを受けた。
周囲に響く程の音を立てた平手打ちは、かなり痛い。
彼は背中を片手で抑え、勢い良く振り向き、背中を思い切り叩いた相手に叫ぶ。

「ユキ…、お前な…!!」

涙目の彼が見据えたのは、1人の少女だ。
ピンク色の髪を、後と左右の三カ所で結い、同じくピンク色の瞳を持った、黒島以上に派手な服装の少女。
冥弛 裄乃と言い、彼女もまた【荒廃せし失楽園】の魔術師の1人だ。
好奇心旺盛で明るい性格の彼女は、黒島とは相棒と言った関係だろうか。

「どうしたの、そんな元気が無いなんて。あ、カレーを食べてないから元気が無いの?」

「何処ぞの戦隊物のイエローと同列に見るな。それにカレーを食べない位じゃ元気は無くさないからな」

「…カレー依存症?」

「違うわ!! っていうか、カレーの可能性は完全に否定したのに何で無理矢理カレーに持って行く!?」

「人参、ジャガイモ、豚肉、タマネギ。煮込みしルーは数時間。熟成に余念無し。そう、我が身の全てカレーで出来ていた!!」

「人間じゃ無くなってるだろ!?」

2人のカレー談義は続く。
そんな中、結月 采音は、とある事実を前に紀和、黒雅の2人を呼び、真面目な顔で、こう言った。

「私の隊にも、ユキちゃんみたいな天然系のボケ役が欲しい!!」

無論、この言葉に対する応酬は無かったのは言う間でも無い。