コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

3 ( No.3 )
日時: 2010/03/16 16:20
名前: すずか (ID: ShAxrTa5)

準備をそそくさと済ませ、転送室へと足を運ぶ。道中誰かパーティーメンバーはいないかと辺りを見回すと、一人見つかった。すんごい目立ってる。半端なく目立ってる。

「僧侶がミニスカート……?」

奥ゆかしさとかは欠片もない服装。元々は僧侶組指定のローブだっただろう服の裾をざっくりとカットしてあって、綺麗な脚線美が丸見え。目の行き先に困る。
言わずもがな、パーティーメンバーのキュラ・リオナだった。取りあえず声をかけてみる。

「な、なあ」
「はあ?」

刺々しく言葉と共に、長い金髪をふぁっさーと舞わせながらリオナ殿が振りかえる。近くで見ると、やっぱり美人だなと再確認した。

「誰?」
「あ、俺パーティーメンバーのイクト」
「イクト……ああ」

しばらく視線を宙に彷徨わせた後、面倒くさそうに思いだしたようだ。

「名前知らない奴だし影薄いんだろうなーと思ってたんだけど、マジで特徴ない顔してるわね」
「初対面でそれ言うか、お前」
「お世辞が良かったの? わー、超いけめーん、この人とパーティーなんて超らっきー」

思いっきり棒読みだった。清々しいほど棒読みだった。

「こんなんで良かったの?」
「それで良いと思ってるならあんたのコミュニケーション能力は零に肉薄している」
「あんたは個性が零に肉薄している」

こいつと仲良く魔王退治に出かけられる気がしねえ。