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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 5 ( No.5 )
- 日時: 2010/03/17 17:53
- 名前: すずか (ID: pdCv2c/d)
ジークもまた奇怪な格好をしていた。いや別に目を引く格好をしているわけじゃない。むしろ普通。普通すぎる。
誰が魔王倒しに行くのにTシャツとGパンで行こうとするんだよ。一応剣は背中にあるけどよ。それじゃ「あ、どうもソードオタクです」でも通用するだろうが。
「あら、あんたが噂のカルラ・ジーク? ……まあ顔はイクトよりか格段に上ね。多分成績も」
全く間違いではないが無性に苛つく。誰だろうと目の前で「そいつより格下」って断言されりゃ、そりゃ苛つく。
リオナが褒めたその顔は、確かに端正だった。すっと通った鼻筋と、切れ長の瞳が特徴的。とか何とかどっかそこらの本で読んだ表現を使ってみた。俺流の一言でいえばイケメンだった。別に俺流でも何でもないけど。取りあえず同性から恨まれそうな感じ。
そんなジーク君が、評価を下したリオナに視線を向ける。しかしほんとに無表情だな。ジークロボット説を唱える輩がいるのも納得だ。
「誰だお前」
「人の名前を聞くためにはまず自分の名前を名乗る必要がなくて?」
「ないな」
バッサリだなおい。リオナがからかってるのは間違いないけど、その言葉自体も間違ってないぞ。社会の基本だぞ。何かこのパーティー、コミュニケーション能力のなさが危ぶまれるな。
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