コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

25 ( No.60 )
日時: 2010/06/02 21:04
名前: すずか (ID: CkThpPJM)

「お前何しとる!?」

あんたにそっくりその言葉を返してえよ!?
俺の心の叫びは誰にも届かず、代わりにジークが鉄面皮で面倒そうに答える。

「死人のフリをしてる馬鹿がいたから」

こいつ、死体じゃないと知ってたのか。どこで見抜いたんだ一体。

「馬鹿とは何じゃ!! 擬態と言わんかっ!!」
「あれを見て擬態と気付く方がむしろ馬鹿ね」
「何だと!?」

リオナがジークと同じく投げやりに口を挟むと、その爺さんがそっちを睨む。次の瞬間鼻の下が伸びた。

「おお美人な小娘じゃな。毒舌なところも気が強そうで良い」

好々爺だったこの爺さん。突然デレデレし始めた。
リオナもその事に目ざとく気づき、ニコリと笑う。性格を知る俺から見たら何か企んでるとしか見えん。

「ねえおじい様、私達旅をしておりますの。まだこの地域は初めてで、全然地理が分かりませんわ、良ければ詳しく教えてもらえません?」
「いくらでも教えてやろう! ただし小娘だけな」

爺さんがそう言って片手を振る。次の瞬間リオナ以外が宙を飛んで小屋の外へ放り出された。

「みきゃーっ!」
「うごふぁっ!?」

またニーナが俺の上に積み重なってきた。どけ。