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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Mistake . ( No.18 )
- 日時: 2010/09/04 01:16
- 名前: 凜 ◆zyGOuemUCI (ID: hqWYiecP)
#03 ( 大事な人 )
「俺は柏木 凌太」
「じゃあ"りょうたん"で」
「やめてくれ」
危うくベタすぎて変なあだ名をつけられそうになったが、フレッシュリーマンの件で免疫がついていたからなんとか冷静に対応できた。
「私は瀬菜。愛沢 瀬菜」
「じゃあ"アイルトン"で」
「やめてくれ」
「なんなんだこの食堂は」
「た、確かに」
新人ということもあり、仕事を任せられるときは常に愛沢と一緒だった。まあそういうわけである程度仲良くなってしまった。この美人で変人な愛沢と。
昼食の時間になり、とりあえず食堂行ってみようと愛沢と来てみたら、だ。メニューは全部千円以上。丼ものとなると値段は千五百円以上に跳ね上がる。さすが超一流企業。天晴れだ。
「ぼったくり?」
「俺、給料貰うまで生きていけるかな……」
* * *
仕事が終わり、色々なことを思い出していたら帰り道はほぼ放心状態で歩いていた。自分の住んでいるマンションが見えたとき、ようやく我に返った。
自分の部屋の前に着いたとき、俺は自然に笑顔になった。──大事な人が待っているから。
「お帰りなさいっ」
「うあ!? ……ただいま、里子」
玄関の黒く重たい扉を開けた瞬間、抱きついてきた。……俺の大事な彼女の里子が。俺は思わず笑みがこぼれた。そしてぎゅっと抱きしめ返した。
可愛い彼女。仕事の疲れも吹っ飛ぶ、幸せな時間。
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